緊張や不安によるパニック症状

なにか急に寒くなってきました。「暑さ寒さも彼岸まで」・・・言葉通りですね。この頃より、風邪をひかれる方が増えてきます。沖縄ではインフルエンザの流行も確認されていますし、喘息やCOPDなどの呼吸器疾患だけでなく、心臓病など持病を持っている方は用心が必要です。風邪予防対策を意識した生活を送りましょう。

さて、パニック障害とまではいかなくても、緊張や不安で心臓がバクバクした経験はどなたもあるのではないでしょうか?程度の差はありますけどね。繊細な方ほど症状が強く出るのかもしれません。また、悩ましいことに気にすれば気にするほど、さらに動悸は強まって、汗が出るわ、足がガクガクするわ、で大変な思いをしてしまいいます。呼吸が浅く早くなって手足がしびれてくる人(過呼吸発作)もいます。そして、このような大変なことを一度でも経験すると、「また同じようになるのではないか」「同じ症状になったらどうしよう」と悪い考え(予期不安)が頭を巡り、これが症状を呼び込むという悪循環が成立します。

こうなると、立派なパニック障害が成立してきます。これらは緊張や不安という状況を乗り切ろうとする生物としての反応なのですが、過度に反応してしまうと、自分の身体であっても自分でコントロールできない状況になり、さらにパニックを深めてしまうのですね。ですから、治療として、抗不安薬(いわゆる安定剤)がよく使われます。漢方でも異常な気の昂りを抑えるような薬(安神薬)を使います。このような薬で、体の反応を落ち着けながら、「大丈夫」な経験を重ねてゆくことで少しずつ自信を取り戻せれば、薬から解放されるのです。
残念ながら、薬から抜け出せない人が多いのも事実です。

では、薬(安定剤)から抜け出すには・・・?
私が、現在勧める方法にいくつかあります。まず、安定剤を少しずつ漢方薬に切り替える方法です。これで解放された方も何人もいます。数年前までは、この方法が中心でしたが、現在は自律訓練法を紹介することも増えています。自律訓練法は、一種のリラックス法ですが、集中力を高めたり、緊張や不安を和らげたり、体調を安定させるなど、様々な効果が報告されています。医療の現場だけでなく、教育や運動の分野でも活用され成果が報告されています。
私が目指すゴールは、漢方薬さえも使わずに日常生活が送れるようになることですから、現在は漢方薬とセットで自律訓練法を勧めることが多くあります。また、ヒトの身体は、自由が利くようで利かないものなのですが、何とかコントロールすることもできます。この方法の一つに自律訓練法があると考えてもらえばいいでしょう。

パニック障害に付きものの予期不安に対しては、認知行動療法森田療法などの心理療法を行うこともあります。私たちの脳は、考えたことを増幅する悪いクセを持っています。ですから気にすれば気にするほど、気にして打ち消そうと努力するほど、症状が強くなってしまうのです。眠れない人が、「眠ろう眠ろう」と思うほど目がさえることと似ていませんか?
このようなクセは、漢方薬で治るようなものではありませんから、心理療法を組み合わせる方が良いと考えています。ですから最近は、だんだん薬を使わない方向へ私の相談は向かっているのです。必要最小限の薬を短期間使用し、その薬を使わないでも大丈夫なように身体と心の体質改善をすることが目標です。本来の相談とは、かくあるべしと考えます。

まぁ、私の理想論は別にして、緊張や不安やパニック障害などに、漢方薬自律訓練法は非常におすすめできる方法です。併せて、困った心のクセがある方は心理療法を試してみたらいかがですか?きっと違った将来が開けてくると思います。


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