性差を考えた治療

18日(土)は、2時で閉局し最後のPTA総会および職員の歓送迎会に向かいました。薬局は暇だったのですが、なんかバタバタしブログを書くことが出来ませんでした。楽しみにしていた方もいるでしょう。スミマセンでした。


今朝の朝日新聞のナント社説に性差医療を推進しようとの提言がありました。性差医療はまだ一般的ではありませんが、病気の発症頻度や病気の危険性や薬の効き方など、男女の違いがわかっています。


この違いを考慮し、より適切で副作用の少ない医療を提供しようというのが性差医療です。女性医師が中心となって大病院を中心に専門外来が出来ています。まだ少ないのですが確実に増加していくことでしょう。


性差医療は比較的新しい分野とは言え、漢方の古典では性差を意識した記述もみられます。例えばトウキバイモクジンガンでは男性の場合に「カッセキを加えて使用せよ」と記載されていることから当時の人はすでに性差による薬の効果の違いに気づいていたと考えられます。


近年の医療はエビデンス(科学的データに裏付けられた証拠)に重点が置かれてきています。残念ながら男女別でデータが収集された研究は多くなく、エビデンス性差医療に応用するには今少し時間が必要かと思います。


しかし実際にアルコールを例にとると女性は脂肪率が高い分アルコールの排泄が男性より遅いのでアルコール依存症になりやすいと言われています。このように経験的に知られていることから徐々に医療現場で応用されてきているのです。


性差だけでなく人種差もあり、遺伝子の違いによる個体差もあります。近年、海外で認められている薬は日本での承認を早めるよう求められていますが、人種差を考えると海外でOKなら日本でもOKと言うわけには行かないと私は考えています。リスクをとるか有効性を優先させるかは対象の病気により異なるとは思いますが、薬剤師としてやはりリスクを抑えたいと考えるのです。


私も性差医療に関しては興味のある分野なのですが、とても勉強が追いつきません。遅れない程度に情報を入れて対応したいと考えています。

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