魚を食べて脳卒中を減らす

今日から半袖です。そして来週から6月に入り、新薬事法の下で新たな薬局営業をスタートです。地道に地域社会を支えてきた薬局ほど、恐らく影響は大きく現れるでしょう。なんとも薬剤師と地域を切り離す愚かな制度だと思えます。社会活動を減らすか、売上を捨てるかの選択が迫られているのです。

昨日はいくつかの講演会が重なり、どの講演に行こうか迷いましたが、長岡脳血管セミナーに出席しました。『日常診療における脳卒中予防戦略−JELISの結果が導き出す意義−』と題し富山大学付属病院神経内科教授田中耕太郎先生に講演いただきました。ナント田中先生は地元長岡高校のOBですから同級生の医師も集まり盛り上がったのではないでしょうか。


魚類に含まれる脂肪の不飽和脂肪酸が注目されたのは、エスキモーに動脈硬化性の病気が少ないという調査結果からでした。エイコサペンタエン酸と言うよりもEPAのほうが馴染みがあるかもしれません。


このEPAの摂取量が多いほど心筋梗塞などの発症が少ないことが実際に確認され現在医薬品として臨床で使用されています。日本で行われたJELISという研究では5年間で心筋梗塞などの発症率を19%低下させました。


同様に脳卒中では特に再発を5年間で20%低下させ、3大死因の内2つ(心筋梗塞脳卒中など)を減らすことがわかります。また極端なコレステロール低下は脳出血の危険性が増えるのに比べてEPAでは脳出血の危険性に変化がないこともメリットとしてあげれれるでしょう。


日本人は欧米人に比べ魚の摂取量が多く、体内のEPA濃度も高いことがわかっています。しかし食の洋食化で欧米人並みに近づいていることも事実であり注意が必要かもしれません。また魚も揚げ物ではそのメリットが少ないことも知られています。不飽和脂肪酸ですから鮮度が大切なのだと思います。


米国の看護婦を対象とした研究ですが、魚を食べる頻度と脳卒中の起こりやすさを調べると、月に1回以下しか食べない人に対し週5回以上食べる人は、脳卒中を起こす危険度が58%低下することがわかっています。日本人なら月に1回以下ということはないと思いますが、通常の食事の影響も無視できないのです。薬に頼らず食事も見直すべきだと考えます。

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