認知症の周辺症状

南魚沼市から来ているお客さんが、私のところの漢方薬はメーカー品より飲みやすいと言ってくれます。以前は長野県に住んでいる方から当薬局で作った紫雲膏が効きがよいと言ってもらいました。どちらも原料は生薬ですから、価格は高くても極力上質の生薬を選ぶようにしています。恐らく、原料の違いが一番大きいのではないでしょうか。指標成分でみると2〜5倍の開きがありますからね。


昨日行われた長岡認知症フォーラムは『認知症の方を支えるネットワーク』と題し、公益社団法人地域医療振興協会地域医療研修センター副センター長八森淳先生の講演がありました。


内容は主に医療・介護・行政などの連携の話でしたが、徘徊や妄想・易怒性・などの認知症周辺症状(BPSD)の悪化原因として薬剤性が約4割、病気の合併症によるものが約2割と、6割が医療関係だとし専門医以外も関わる重要性を話されました。


薬剤性の4割は私は特に驚きませんが、一般の方はどのように考えるのでしょうか?4割で驚かないのは、神経内科医などは高齢者の症状で使用薬剤を必要最小限にすると改善することが多いと言っているからですね。


本来は、このようなことは医薬分業を行っている薬局薬剤師がチェックするべきことではないかと思うのですがね。今の医薬分業制度が上手く機能しているとはどうも思えません。結局、その代償を患者さんが負わされているのではないのでしょうか。薬を減らす薬局が評価されるシステムが必要です。


このことは、相談販売をしている私のような薬局も常々感じていて、飲んでいる薬やサプリメント・健康食品を確認すると山のように飲んでいる人がいます。こんな時は漢方薬も何も出さずに私が減らせる範囲でアドバイスし、場合によっては処方医に意見書を作成することもあります。何も売れていないから時間はかかっても1円もいただきません。私ら薬剤師(主に販売を行っている)の知識や技術に対する評価ってこんなものかなと思う瞬間ですね。


話を戻しますが、最近は認知症の周辺症状に漢方薬を使うケースが増えています。NHKなどでも漢方薬メーカーの影を感じるような放送がありますが、本来の漢方薬の使い方とは異なる基準で使われることで、副作用(漢方家は誤治=誤った使い方と言い、副作用とは区別します)が起こるのではないかと心配しています。


でも実際に周辺症状に使う漢方薬も多数あり、体質を考慮し適切な漢方薬を選べば、安全で効果的に使うこともできるでしょう。認知症の周辺症状に漢方薬が使われるケースが増えていることの背景には、今の薬剤の中には有効なものが少ないことも関係しているようです。医師も介護に携わる人も困っているのが、認知症の周辺症状だということですね。

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