先日、田圃の排水の中にコウホネ(スイレン科)を見つけました。生薬名はセンコツ(川骨)と言い、強壮薬や止血薬として用いられています。梅雨が明けて排水の水量が減ったら写真に収めたいと考えています。
昨日の学術講演会は「血圧と腎臓」と題し、新潟大学大学院医歯学総合研究科腎・膠原病内科分野教授成田一衛先生の話でした。昨年からCKD(慢性腎疾患)の話題を聞くことが多くなりましたが、その理由は腎疾患の増加により心臓疾患が増えたり透析により医療費が莫大になることでしょう。
改めて高血圧と腎臓病の悪循環の関係がわかりました。腎臓を発生学の観点から考えるとナトリウムの排泄と密接なことがわかります。
ナトリウム(食塩)を摂りすぎた時、腎臓は血圧を上げることでナトリウムを排泄しようとするのです。すなわち高血圧ですね。また高血圧は腎臓の糸球体と呼ばれる細い血管を高い圧力により傷つけます。これが腎臓病ですね。
このような関係から、食塩の影響をできるだけ少なくするようにしなくてはなりません。高血圧学会では、この視点から1日の食塩摂取量を6g以下に目標設定しています。現実的には非常に厳しい数字なので、カリウム(ナトリウムを追い出す働きがある)の摂取を増やそうとしているのです。ただし腎臓病になるとカリウムも制限されますから、腎臓を傷めないように早めに対処することが大切ですよね。
そして心臓や脳など致命的な動脈硬化と関係が深いのが、夜間高血圧や早朝高血圧です。夜間高血圧もナトリウムの関係で説明できますが、日中十分なナトリウム排泄ができないと夜も血圧を高めに維持して、ナトリウムを排泄するように身体は機能するのです。
ちなみに早朝高血圧は自律神経の働きと関係があります。
高血圧に関しては生活習慣病の大きな部分を占め、高血圧を改善することで多くの致命的な病気の進行を遅くすることができます。ただ余り下げすぎない方が良いようで、ヨーロッパの高血圧学会からは降圧の下限が決められる方向で進んでいるようです。
高血圧であれ生活習慣病の原因の多くは食生活にあります。高血圧に関してはナトリウム(食塩)の摂取量が大きく影響しますから、自分なりの減塩スタイルを見つけて1gでも減らすよう努力しましょう。
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