てんかん・・・意外に多いか!?

日曜日の漢方治療研究会から始まり、月曜の「難治性疼痛の治療」、火曜の「てんかん発作のいろいろ」、・・・今週は、講演会が連日続いています。内容も多岐にわたっていますが、日々の相談に結構役立つ時もあるので日々の研鑽は欠かせません。そして驚くことに、全く関係ない分野の知識が役立つこともあるのですから、浅く広い知識も必要なのですね。

さて、私のライフワークの一つであるメンタルケアと関係があるだろうと以前から「てんかん」の勉強会には積極的に参加してきました。でも漢方相談があるとは思いませんが(過去に一人だけあります)、脳の病気として新たなヒントが生まれることがあるのです。ただ、今回は「知っておきたいてんかん発作のいろいろ」と題した東京女子医大てんかん外来センター長の久保田有一先生の講演にビックリしました。私が考えていた以上に転換を発症する人が多いのです。有病率で約1%、100人に1人はてんかんの方がいると言います。海外のデータを、そのまま日本人に当てはめることはできないかもしれませんが、意外と身近な病気だと認識する必要があります。

例えば学校に当てはめれば、全校100人程度の小規模の学校でも1人、数百人規模の学校なら数人はてんかんの生徒がいることになります。その上で「いろいろなタイプのてんかん発作」が存在することもわかりました。意外に多い!のは、てんかん発作の症状だと知らずに見過ごしている可能性が高いと言えます。突然意識を失って倒れ、手足を痙攣させているイメージでしょう。私も少なくともそのように考えていました。

でも、ボーとしていたり、口をクチャクチャさせたり、手をまさぐるような不穏な動きをしたり、体を揺らしたり・・・と、このような症状も発作の可能性があると言います。詳しくは脳波を撮らないとわかりませんが、単に集中力がないとか落ち着きがないとか誤解されているケースも有病率から考えると多くありそうです。

そして熱性けいれんが、てんかんの一形とされているように、特に小児の脳はちょっとした刺激にも過敏に反応することがあります。久保田先生が話された意外な言葉のもう一つは、「てんかん治療の第一は生活習慣の是正です」。その後、薬と手術があるのです。しっかりと睡眠をとって脳を回復させること、アルコールを飲みすぎないこと、ストレスと上手に付き合うこと、で脳の抵抗力を高めることが重要なのです。
言い換えれば、てんかんは脳が刺激に対して過敏になっている状態ですから、余計な刺激を与えて興奮させないように注意が必要です。

ここで、てんかんに使われるバルプロ酸双極性障害躁うつ病)にも使われることから、双極性障害にとっても生活習慣の是正は重要な治療法の一つだと言えるでしょう。今週のNHKの「きょうの健康」では「治り難いうつ病」に潜む双極性障害を紹介しています。ですから治り難いうつ病では生活習慣を見直すことも必要ですよね。

懇親会で久保田先生と名刺交換したら、漢方薬の話題になり、私の症例も含めていくつかの漢方薬てんかんに使われていることをお伝えしてきました。安全に使える薬の一つとして漢方薬が役立つなら嬉しい限りです。


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