冬の頻尿・冬のむくみ

今年も残り2週間を切りました。嬉しい出会いもあり、悲しい別れもあり、そのようなことを繰り返して人生の深みは増すのでしょう。私個人の話で恐縮ですが、漢方相談ではより深く考えて出すスタイルに磨きがかかってきたように思います(と言っても、まだまだ不充分です)。そんな考え方の一端を昨日の漢方三考塾(東洋医学の研究団体)では、担当する生薬の講義に絡めて話してきました。一般の相談者や大学での講義にも使えるよう、できるだけビジュアルに仕上げて理解しやすくするつもりです。来年の課題になりますが、、、。

さて、今年は例年よりもインフルエンザの流行も早く、またノロウィルス感染も目立っており、感染症に対する注意はいつも以上に必要です。でも冬ならではの冷え症や手荒れ・肌荒れや頻尿や浮腫みなど他にも注意が必要な悩みはたくさんあります。そこで今回は「頻尿」と「むくみ」についてです。

まず、何故寒くなるとトイレが近くなるのでしょう。いくつか理由はあるのでしょうが、一番の理由は発汗量の低下です。目に見える形(汗)でなくても、皮膚からは絶えず水分が蒸発していますが、冬になると身体を冷やす必要が少ないために発汗が減り、そのため腎臓での水分ろ過量(いわゆる尿量)が増えるというわけです。ですから寒くなったら夏以上に身体を動かすと発汗量が増えて尿量が減る(=頻尿が改善する)と考えられます。そして、もともと身体が冷えやすい人・冷え症の方などはこの傾向が強いものと思われますので、日中に8回以上トイレに通うような方は努めて身体を動かすようにすると良いでしょう。

ですが、現代社会は皮肉にも身体を冷やす社会でもあり、冷たくて美味しい飲食物があふれ、保温性を考慮しないファッションが流行したりしています。加えて、リモコン化により身体の活動量は低下する一方で、肥満の原因としても大きな問題となっています。あまりにも身体作り(健康作り)に無頓着な時代になったものです。

また東洋医学では、水分は身体を冷やすものとして位置付けており、寒い冬は身体を冷やす物質(水分など)はできるだけ排泄するように働くと考えます。そうすれば、頻尿を感じた段階は、身体にとって必要以上の(あるいは通常の処理能力以上の)水分を摂取しているとも言えるわけですから、水分の摂取量を控えるなどの工夫で腎臓の負担を軽くすることも重要です。幸いにして身体は『腎(東洋医学では、泌尿器系・生殖器系・内分泌系の一部などを含む概念)』を冬に強化するよう出来てますので、改めて自然界の妙に感服します。ただ、『腎』は寒さに弱いため、身体(特に下半身)を冷やすことには注意が必要です。ファッションも重要なのでしょうが、健康な身体あってのファッションだと私は思います。

それでは、冬になると浮腫むのは何故でしょう?単に身体の水分が過剰になっているだけでしょうか?
東洋医学的な考え方を加えれば、『腎』の負担が増し処理しきれなくなった過剰な水分(水毒)が存在していると言えます。通常、余分な水分は重力により下半身に溜まりやすく、脚の浮腫みとして自覚されることが多いのです。夏は意識することが少ないかも知れませんが、冬ロングブーツを履こうとした時に、朝楽に履けたブーツが夕方には窮屈に感じることは珍しくないと思います。このような時は、あなたの『腎』に思いを寄せ、日頃の生活を見直す機会としてはいかがでしょう。

身体は何気ないサインを送っているものです。このサインに気づき身体を大切にする人、サインに気づかず身体を酷使し続ける人、サインに気づいても無視して生活を改めようとしない人、この結果は3年後・5年後・10年後に代償として貴方自身に帰ってくることを知っておいてください。

身体を温める漢方薬、『腎』を保護する漢方薬、浮腫みを取り去る漢方薬、どうか東洋医学に詳しい専門家にご相談ください。



漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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