リウマチと歯周病の関係

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今日は七草粥の日ですね。今年は雪の無い正月を過ごしてますので、七草を摘むことも可能かもしれませんが、例年なら雪に埋もれて七草どころじゃありません。
最近は、スーパーで売っているので、七草を摘むことはないでしょうけど。でも、この習慣、生活リズムや食事内容の乱れから大切な胃腸を守るものとして、意識付けすることが重要だと思います。
で、私は毎年のことながら年明け早々に漢方合宿があります。この合宿が私の研修スタートになり、たった今発表原稿の作成が終わったところです。

さて、歯周病生活習慣病など多くの病気と関係が深いことは非常に有名な話であります。例外に漏れず関節リウマチも同様で、歯周病患者が関節リウマチに罹る確率は歯周病の無い人の約2倍と言われ、歯の数が少ないほど重症度も高いとされます。この理由に関しては不明だったのですが、医学誌「Science Translational Medicine」オンライン版に、関節リウマチと歯周病を関連付ける細菌が見つかったとの報告がありました。その細菌は、A. actinomycetemcomitansで、関節リウマチ患者の約半数にこの歯周病菌の感染が確認されたのに対し、関節リウマチも歯周病もない人での感染率は11%だったとのことです。

もちろん関節リウマチは自己免疫疾患であり、歯周病だけで複雑な免疫系の異常を説明することは無理がありますが、一部の人では、歯周病の予防が関節リウマチ発症の予防につながるかと思われます。リウマチが先か、歯周病が先か、という議論は専門家に任せるとして、私たちが将来にわたっての健康を考える時、多くの病気に関係する歯周病の予防に努力することは、少ない労力と資金で得られる大きなメリットかと思います。

また近年は免疫に関する話題も多く、自己免疫疾患やアレルギーの根本治癒も実現するかもしれません。加えて、腸内細菌叢の研究から腸と免疫系の関係も多く報告されてますし、口内環境と腸内環境との関連から考えれば、歯周病になりやすい口内環境では、いろいろな免疫異常が起こっても不思議ではありません。

関節リウマチは30〜40代の女性に発症することが多いとされます。関節リウマチまでではないけれども、診断の結果可能性がある人の場合や身内に関節リウマチに罹った方がいる場合は、歯周病ケアを積極的にすることで予防ができるかもしれません。ブラッシングが基本になると思いますので、歯科医や歯科衛生士さんに指導してもらうのが重要です。抗生物質の服用も方法の一つとされますが、耐性菌や副作用の問題を考えると実用的ではありません。ブラッシングに加えてお茶で口を漱ぐだけでも効果アップが得られるのではないかと思います。

関節リウマチの発症予防だけでなく、重症化防止にも、歯周病ケアは有益と思いますので、積極的に行いたいものです。当薬局でも、歯周病ケア関連用品を用意してますので、気になる方は是非お立ち寄りください。



漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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