アレルギー性結膜炎の対処法

 彼岸に入り、天気予報の話題は冬将軍から桜前線に変わりました。三寒四温の言葉が示すように、まだ寒さ対策が欠かせませんが、鋭い寒さというよりも穏やかな日中を想像させるような引き締まった寒さのようです。ただ、季節の変わり目と言われ、体調のバランスを崩しやすいのもこの時期の特徴で、特に自律神経失調症のような不調が出やすいので、気を緩めないよう規則正しい日常生活を送っていただきたいものです。

 今や国民病とまで言われる花粉症のシーズンに入りました。くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの鼻炎症状が目立ちますが、目の充血や痒み(アレルギー性結膜炎)、肌荒れや皮膚の痒みや皮膚炎(花粉皮膚炎)、なども症状が強く注意が必要です。鼻炎対策にマスクがある程度有効なように、アレルギー性結膜炎対策にはメガネの着用が、花粉皮膚炎対策には基本的なスキンケアが重要と言えます。

 さて、アレルギー性結膜炎では、「目を取り出して洗いたい!」と表現される方もいるくらい痒みが強く、目のこすり過ぎで角膜(眼球表面の膜)を傷つけてしまったり、目薬の使い過ぎで瞼をただれさせたりと、二次的な症状を発症することも珍しくありません。そこで、適切な対処法が必要になってくるのです。まずは、メガネの着用により眼球に接触する花粉の絶対量を減らすことが基本です。目の悪くない人でも伊達メガネやサングラスを使用したり、普段コンタクトレンズを使用しているなら花粉症シーズンだけでもメガネを着用することで、目の表面に付着する花粉の数がかなり減るとされます。できるだけ面積の大きいメガネで、できればサイドカバー(という表現でいいのかわかりませんが)が付いているとベストでしょう。

 そのうえで、まずは局所療法で効果を試します。市販の花粉症・アレルギー性結膜炎用の目薬は、抗ヒスタミン薬が中心で痒み・充血に効果を発揮します。1日4〜6回使用するようになっているかと思いますが、限度以上使っても効果が今一つの時は使用回数を増やすのではなく、別の種類に変更した方が良いでしょう。それは、使い過ぎによる眼瞼炎(瞼のただれ)の発症を予防するためです。別の目薬に変更する場合、詳しくは薬剤師に確認願いたいのですが抗ヒスタミン薬の種類が変わらなければ意味がありません。2〜3種類の抗ヒスタミン成分配合目薬を試しても痒みがコントロールできないのなら、医師の処方が必要ですけれどステロイド点眼薬の出番となります。ステロイド点眼薬の副作用として、ステロイド緑内障などが有名ですから上手に使いたいものです。

 ただ、ステロイド点眼薬を使う前に内服の抗ヒスタミン薬を試してもらいたいと思います。鼻炎など、目以外にも症状がある方なら鼻炎対策も兼ねますから一石二鳥の対策と言えます。この抗ヒスタミン薬は、眠気などの副作用が出やすい第1世代と、眠気が少ない第2世代に大きく分類されてます。市販品では第1世代の抗ヒスタミン薬が多いものの、第2世代の抗ヒスタミン薬も数種類発売されています。単に眠気を感じなければどちらでもいいとも言えません。第1世代の抗ヒスタミン薬により、注意力や集中力が低下することがわかっており、車の運転や重要な判断をする場面では人生を左右する可能性(決してオーバーではありません)さえあるのです。当薬局でも相談時間が十分取れる時には抗ヒスタミン薬の説明をするようにしています。

 優れた第2世代の抗ヒスタミン薬でも眠気が全くのゼロではありません。ですから人によっては注意力や集中力が知らないうちに低下しているケースもあります。より慎重を期すなら漢方薬という選択肢もあります。一般的には即効性に劣ると言われる漢方薬ですけど、体質を見極め適切に選択すれば十分即効性はあります。効果は分単位で現れると言っても過言ではなく、私が漢方相談に本格的に入るきっかけも自身の鼻炎で飲んだ漢方薬の効果にビックリしたからです。花粉症やアレルギー性結膜炎に使用する漢方薬は十数種類ありますから具体名は挙げませんが、ぜひ漢方薬東洋医学に詳しい専門家にご相談ください。




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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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