睡眠衛生指導なくして不眠相談なし

 「お歳暮」の文字を見ていて、「1年の暮れ」のことかと頭に浮かびました。
あと数年で還暦の私は、さしずめ9月あるいは10月頃でしょうか。1日なら
夕暮れ時?黄昏?・・・と妄想が膨らみます。

 大都会は「眠らない街」とも表現されますが、やはり普通は夜は眠ることが
自然でしょう。だから、「眠れない!」と悩んでいる人が多くいるのです。
でも残念ながら現代社会は「眠ることが難しい時代」になってきています。

 ただ、安易に薬に頼るのは、お勧めしません。心療内科医や精神科医とも
共有されている意見ですが、「眠れない」人の多くは眠れないことを心配し
過ぎる「不眠神経症」とでも呼ぶべき症状で悩んでいます。

 そして、不眠神経症不眠症とは明確に区別されるべきと私は考えます。
なぜなら、不眠症では生活リズムの修正など睡眠衛生指導と不眠に対する
治療(主に薬物療法)が必要となりますし、不眠神経症には睡眠衛生指導と
合わせて神経症に対する心理療法やカウンセリングが主体となり、治療法が
異なるためです。

 どちらにしても、睡眠衛生指導が重要なことに変わりはありません。
その睡眠衛生指導とは、一般的には厚生労働省が作成した「健康づくりの
ための睡眠指針2014」を指します。12条あり以下に紹介します。

第1条 良い睡眠で,からだも⼼も健康に
第2条 適度な運動,しっかり朝⾷,ねむりとめざめのメリハリを
第3条 良い睡眠は,⽣活習慣病予防につながります
第4条 睡眠による休養感は,こころの健康に重要です
第5条 年齢や季節に応じて,昼間の眠気で困らない程度の睡眠を
第6条 良い睡眠のためには,環境づくりも重要です
第7条 若年世代は夜更かしを避けて,体内時計のリズムを保つ
第8条 勤労世代の疲労回復・能率アップに,毎⽇⼗分な睡眠を
第9条 熟年世代を朝晩メリハリ,昼間に適度な運動で良い睡眠
第10条 眠たくなってからふとんに⼊り,起きる時刻は遅らせない
第11条 いつもと違う睡眠には,要注意
第12条 眠れない,その苦しみをかかえずに,専⾨家に相談を

 特に2条、5条、6条、7条、10条、11条、12条が重要で、
この説明を省いての不眠相談は、不眠症状を長引かせ薬物依存を
生みやすいとの印象があります。

 当薬局では、薬物は使うにしても漢方薬(不眠相談の6割程度)
であり、不眠症状の改善とともに漢方薬を漸減するために自律訓練法
マインドフルネスを導入し、最終的にはゼロにします。

 もちろん並行して、生活リズムの修正などの睡眠衛生指導を行い、
薬物に依存しなくても良い自然な睡眠を取り戻すように心理療法
カウンセリングも合わせています。

 

  漢方薬東洋医学の相談、心療内科と心の相談、丁寧な説明
 長岡の相談薬局・ひろはし薬局
  薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

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