膝の痛み・腫れには、軟骨成分?漢方薬?

  膝関節の軟骨成分を増やすなどとしてグルコサミンやコンドロイチンまたは
ヒアルロン酸のTVコマーシャルを見ることがあります。一時ほどのブーム
ではありませんが、変形性膝関節症で悩んでいる方がそれだけ多いということ
です。

 グルコサミンやコンドロイチンやヒアルロン酸は実際にどうなのでしょう?
グルコサミンなどの論文は多数あり、有効という報告も無効という報告も両方
同じくらいあります。ただ、有効というレポートを見ると、痛みは軽減できた
もののコマーシャルで言うような膝関節軟骨が増えているわけではないのです。

 でも最近、コンドロイチン含有医薬品で慢性腰痛が楽になったと言われました。
もしかしたらグルコサミンやコンドロイチンなどは慢性化した神経障害を改善
するのかもしれません。軟骨を改善するという作用は、残念ながら・・・。

 さて、漢方薬はどうでしょうか。恐らく軟骨を改善する働きはグルコサミンや
コンドロイチンなどと同様でしょう。ただ、痛みや腫れの原因・誘因となる炎症
や充血・冷え・水分代謝不良などを改善し、痛みや腫れを和らげます。
技術の高い漢方専門家であれば、その有効率は8割以上となるでしょう。

 有効率で判断すれば、軟骨成分よりも漢方薬の方が変形性膝関節症を改善する
と言えます。ただ、作用メカニズムが違うため単純な比較は意味がなく、むしろ
ケースバイケースで使いわける方がいいと思います。

 もちろん、どちらも医師が治療で使用する鎮痛剤などと併用できますし、作用
カニズムの違いを利用する方がメリットもあるでしょう。その上で、痛みや
腫れを和らげている間に、膝関節を安定させるためのストレッチや体操を行う
のが一番の治療になるのです。面倒でも膝関節を長持ちさせるために、リハビリ
を忘れないようにしてください。 

 

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 長岡の相談薬局・ひろはし薬局
  薬剤師・心理カウンセラー(公認心理師)  廣橋 義和

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