朝日新聞の投書欄に「薬局でご主人の風邪薬を買って帰り、開封したら中の説明書に緑内障の人は相談下さいと記載があったが外箱に記載できないものか」との趣旨が掲載されていました。
専門的になりますが、抗コリン作用を持つ薬剤は緑内障や前立腺肥大症には使っていけないことになっています。ただ、この抗コリン作用は医療用薬・市販薬どちらも多くの薬剤が持っており、様子を見ながら使っているのが現実でしょう。
にもかかわらずあまり問題となっていない背景には、緑内障の場合開放型と閉塞型があり、危ないのは閉塞型のほうだということで、緑内障の大部分は開放型だからと思います。眼科の先生にこのことを確認すると「治療を受けている緑内障なら心配ない」と回答されます。しかし長岡市でも年に数人は急性の緑内障発作(薬剤が原因の発作も含む)で病院の救急を受診するそうですから、我々は注意しなくてはいけません。
また前立腺肥大症も症状の軽重によって、あるいは体質によって影響に差がありますが、ほとんどの方は特に問題なく薬を使用しています。
我々にとって不可抗力なのが、閉塞型の緑内障に気づいていない人です。結局は受診していないからなのでしょうが、風邪薬・胃腸薬などありふれた薬で急性発作を起こす可能性があるのです。
前立腺肥大に関しては、高齢の男性に注意すれば済みます。
そして漢方薬にも抗コリン作用のある薬がありますから、注意が必要です。私のところでも他のドラッグストアで買った咳止めの漢方薬を飲んで尿の出が悪くなった方を漢方薬で治したことがあります。
どっちにしろ緑内障の方と前立腺肥大症の方には、注意しながら薬を使ってもらっていますが、他にも注意しなければいけない病気や飲み合わせに注意が必要な薬もありますから、診察を受ける時や薬を買う時には必ずご相談下さい。
皮膚病・生活習慣病・心の病・漢方薬
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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