薬の副作用

薬は両刃の剣といわれるように、病気の症状を軽減したり病気を治したりする薬としての作用と副作用に現される毒としての作用があります。多くの試験を経て薬として登録された物質は、有害性よりも有益性のほうがはるかに大きいのですが時として取り返しの付かない被害を生むことがあります。


重症薬疹と言われるスティーブンス・ジョンソン症候群(SJ症候群)があります。100万人に1〜6人程度発症すると言われていますから、非常に少ない頻度なのですが重症薬疹だけあって症状は皮膚だけに留まらず身体中の粘膜にも現れます。


場合によっては生命の危険すらある危険な薬疹です。昨年の朝日新聞の特集で、市販のカゼ薬と熱さましを同時に服用した方がSJ症候群を発症し集中治療室で治療を受け一命は取り止めたものの目に重い障害を負ったAさんのケースを紹介していました。


市販薬は成分量が少ないから一緒に飲んでも大丈夫と言う友人の看護師の言葉に従い同時に飲んだのです。恐らくこのようなケースは、あなたの周りにもあることでしょう。Aさんの運が悪かった?薬剤師に聞けばよかった?医師の診察を受けるべきだった?・・・


薬は両刃の剣です。必要な時には使う必用があります。でも極力少ない量で効かせるようにすれば副作用の可能性は少なくなります。ここが私ら薬剤師の真価ではないかと思っているのです。


カゼ薬に含まれている解熱鎮痛剤(熱さまし・痛み止め)や抗生物質は副作用の発生件数が多い薬です。使用頻度が高いからかもしれませんが、重症薬疹などの報告も他の薬と比べると多いように思います。正確なデータに基づいてないので断言は出来ませんが・・・。


昨今の風邪症候群に対する治療ガイドラインに従い解熱剤が頓服になってきているのは嬉しい変化です。しかし未だ市販のカゼ薬には解熱剤が含まれていますし、一般の方の熱には解熱剤という意識もほとんど変わっていません。


私は極力カゼで来た人には解熱剤の入らない薬を勧めています。そこにはカゼ薬と表現できないために拒否されるケースもありますが、説明して納得いただける方には解熱剤なしで販売しています。もちろん充分効果は感じていますが、3年ほど続けてもなかなか広がりが見えません。


薬の副作用はもっと減らせると思っていますが、我々の仕事は薬の使用量が減れば売上が減る仕組みになっているので、私のように考える薬剤師は少ないのかもしれませんね。漢方相談をやっているお陰で、いろいろな相談を受けますから極力少ない薬で治せないか、できるだけ市販の安全性の高い薬で治せないかを一つのテーマに今までの知識を総動員しています。


薬の販売制度が大きく変わろうとしています。マスコミで流れる有名ブランドをセルフで買って使用するパターンがほとんどでしょうが、身の安全を守るために薬局で相談することも一つの方法としてあるのではないでしょうか。もちろん多少のコストはかかると思ってください。


漢方薬生活習慣病不妊症・心の病・皮膚病
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/

メールは《Re:タイトル》でお願いします
hirohash@seagreen.ocn.ne.jp