これでいいのか?救急診療!

明けましておめでとうございます。私の駄文に付き合ってくださる皆さんに感謝いたします。年末からの荒天で、新年の幕開けは遭難や事故などのニュースと共に訪れた感があります。それでも明るいところも必ずある筈で、私はよくコインに例えますが、コインには表もあれば裏もあるから、調子が良くても気を緩めることなく、調子が悪くても気落ちし過ぎることのないよう皆さんに伝えています。まぁ、今年もよろしくお願いいたします。そうそう、先日始まった大河ドラマで、若き頃の吉田松陰が妹にかける言葉は、ネガティブな状況の中で上手くポジティブな部分にスポットを当てて妹の気持ちを転換させていましたね。彼はセラピストとしても優秀だろうと考えて観ていました。

さて、今年は1月1日から長岡市の休日急患診療所に勤めていました。インフルエンザが流行期に入っていただけあって例年の倍近い人数が来たようです。インフルエンザの検査で陽性が出れば抗インフルエンザ薬が処方されます。仮に検査で陰性であっても、この時期ですから臨床的な症状でインフルエンザと判断できる方もいます。症状も軽い方から重い方まで様々な方が3〜5時間、寒い待合室で診察を待っていました。インフルエンザが普通の風邪症候群と比べて重症の感染症で場合によっては致命的になることは事実です。ですが、インフルエンザは自然治癒する感染症でもあります。

久々に休日急患診療所に入り、重症化する危険性の少ない人の多さにビックリしてきたところです。このコンビニ受診ともいえる現状が続く限り、医師は疲弊しますし、緊急医療の必要な方の診察に支障をきたすでしょう。もちろん休日は普段より高めの医療費が発生しますから、国民の医療費は膨らむ一方です。この負担は廻り回って一人一人に返ってきます。医師の疲弊は、判断力の低下につながり医療ミスが起きる可能性も高くなります。

重症化と致命的なマイナス面だけを強調した結果、一般住民の正常な判断力が養われずに混乱を招いているのが医療の現状のように思います。”病を見て人を見ず””薬を見て人を見ず”との言葉があります。インフルエンザの流行期にワクチンも打たずマスク・うがい・手洗いもしないのに、インフルエンザにかからない人は珍しくありません。今の医療に欠けているのは、人の持つ”治る力”の評価と”正しい病気の知識”ではないでしょうか?極端なマイナス部分だけを強調した結果、あるいは安直な医療費の無料政策が、保険医療の正しい姿を歪めてしまっている気がします。(全くの無知や治癒力の過信でで適切な受診機会を逃してはいけませんが・・・)

薬剤師側にも問題が多々あります。医師はきちんと症状を確認して聴診器を当て病状を確認して処方するのに、医師より医学知識の少ない薬剤師が患者さん(お客さん)の言うままに、あるいはコマーシャルで流れる有名品だから、儲けが多いから、・・・などの理由で肝心な症状の確認を怠ってきたのですから。これでは信用などできるわけありません。

国民皆保険の制度は破たん寸前と言われていますが、私は破たんしていると考えています。それでも何とか補てんしているからもっているように思わされているだけではないでしょうか。きちんと機能させるためには、コンビニ受診をする人が減るように正しい医療知識の普及が必要ですし、医療機関の一つとして薬局の相談が信用されることでしょう。そして、病気の原因だけでなく病気を治す体の要因にも目を向けることが必要です。

病気の種類にもよりますが、”身体を正常に戻すパワー”は誰にもあります。必要最低限の薬と治療で助けてあげればいいのです。医療も薬も資源です。無限にあると思っては痛い目に合うでしょう。「大根のハチミツ漬け」で咳止めの漢方薬が不要になった人。12月30日に来て肺炎の初期らしい症状が漢方薬で治まった人。12月31日に来て乳腺炎漢方薬を持って行った人。
薬以外で対処できること(安静・保温・食事・民間薬・・・)、薬局の薬で対処できるもの、受診が必要なもの、救急車で緊急に受診治療が必要なもの、・・・いろいろですが、ある程度区別できるようになることが重要なのではないかなぁと考えさせられた元日の診療所勤めでした。

私は来週の連休が研修会の始まりです。泊まり込みで漢方合宿に参加してきます。今年もよろしくお願いいたします。


漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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