AEDは万全ではない

本日これから母校の小学校で心肺蘇生法の講習会を行ってきます。日本ではガイドライン2005に従って蘇生法が教えられています。ガイドライン2000からAEDが一般的に使われるようになり、一般市民にどのように普及するかが各方面から論じられていました。


AEDが使えるようになりマスコミもAED使用で救命できたことを大々的に報道し、身近なところにAEDが設置されるようになって来ました。ものすごく良いことなのですが、マスコミの報道は新型インフルエンザでも触れたように、一部分を強調しすぎるので間違って伝わる可能性があります。


AEDは万能ではありません。しかし正しく活用すれば有益な機械なのです。心停止を回復させるのは心臓マッサージであって決してAEDではありません。AEDは心室細動という心臓のケイレン状態をリセットするだけの機械で心臓を動かす機能はないのです。


あまりにもAED使用で助かったとマスコミで報道されるものだから多くの方に誤解があるように感じています。先日友人の救急救命士とも同様の話題で盛り上がりました。


とは言っても、AEDは重要で心停止に遭遇したらできるだけ速やかにAEDを試みることが救命率を上ることにつながります。そのためガイドラインの内容は簡略化されてきているのです。


来年にはガイドライン2010が公開されます。ひょっとしたら人工呼吸が外れるかもしれませんが、私は少し心配しています。溺者に対しては人工呼吸はとても重要な措置なので技術だけは伝えたいと考えています。


成人の蘇生法で人工呼吸を行わなかった場合も行った場合同様の救命率が得られたとの論文が発表されたことによる影響ですね。


人工呼吸には、いろいろな問題があることも事実です。でも蘇生に必要な酸素を補給する有益な手技です。このことに関しては意見がいろいろありますが、残念ながら省略される方向です。


そして新たなガイドラインで救命率を見ながらガイドラインに修正が加えられてゆきます。2005から2010へ、そして2015へ少しずつ変わってゆきますから、以前講習を受けたことがあっても時々受けなおしてくださいね。

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