がん細胞には個性がある

薬局薬店を対象にしたメーカーの勉強会が至る所で開催されています。メーカーが実質主催している勉強会ですから、メーカー製品の販売が目的になります。講師として呼ばれる方も販売金額が上位の方ばかりですが、中にはどんな病気であっても特定の製品を必ず販売する方もいて、このような販売方法なら販売上位にランクインされても不思議ではありませんが、私にはできませんね。


昨日、確かサイエンスZEROという番組だったと思うのですが膵臓がんが他のガンと異なるエネルギー代謝をしているとの内容でした。そう言えば以前のブログに膵臓ガンを回虫駆除薬で治せるのではと書いたことを思い出し、見ていたら回虫と膵臓がんの共通点があり、やはり回虫駆除薬を膵臓がんの治療に応用しだしているとの報告でしたね。


この応用のヒントはCT画像の映り方が膵臓がんと他のガンでは異なることから考え付いたようです。ガンはできる部位により性格が異なりますから原発巣がどこかによって使用する抗癌剤も変わってきます。


乳がんでは女性ホルモンに感受性があるかないかで使用する抗癌剤も変わってくるのです。早期がんといわれる1cm程度のガンでも1億個の細胞の集まりと言われています。全部が同じ性格のわけではないのですよね。


私ら漢方家のところにはガンの相談が必ずあります。その時一律にある製品(例えばどんなガンにもアガリクス)を販売するのは余りにも医療者として基本的な知識に欠けるのではないかと考えてしまうのです。


漢方薬にもガンとの相性があり、どこのガンか・食欲など体調はどうか・日頃の生活はどうか・気力はあるか・・・などで使う漢方薬は変わるのです。日々変化する状態に合わせて漢方薬も変わる必要さえあるのです。


個性の塊のようなガンに対し、抗癌剤は2〜3種類を組み合わせるのが現在の標準的治療となっています。漢方的にも、ガン細胞を直接傷害する生薬・アポトーシス(自然死)を誘導する生薬・免疫系を活発にする生薬・気力を高める生薬・活性酸素を抑える生薬・転移を防ぐ生薬・・・などを組み合わせて、尚且つ金銭的な負担を極力抑えなくてはなりません。


状態により途中で方針が変わることもあります。大切なことは、ガンと患者さんとの駆け引きを患者さん側に有利に進めることです。場合によっては共存を図ることもあります。ガンに負けなければいいのですから。


でも回虫の薬をガンに使うなど最新の検査でなければわからなかったでしょうね。この情報を活かして膵臓がんの漢方相談にも応用しようと考えています。

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