下痢、薬で止める?止めない?

新潟県勢では初の甲子園決勝が今日行われます。まさかこれほどの大健闘をすると誰が予想していたでしょうか。確かに県予選でも日本文理はメチャクチャ打っていましたからね、今日の決勝も楽しみです。


昨日地元紙の新潟日報に、正露丸で有名な大○薬品が行った調査結果が出ていました。20〜60代の男女620人にアンケートしたら、43%の人が月に1回以上下痢になっており、10%の人は週1回以上の頻度で下痢をしているとの内容でした。


そして下痢になっても85%の人は下痢止めを「あまり使わない」「使わない」と回答しています。理由として「薬で無理に止めない方がいい」との答えが最も多くあったそうです。私はこの判断は正しいと思っています。


一方同社のコメントもあり、「薬で無理して止めないほうがよい、というのは誤解。下痢を安易に放置すると苦しい思いをするだけでなく脱水症になったり体力を消耗したりすることもある。適切な下痢止めの服用と水分補給が大切。」と出ていました。


下痢には、止めてよい下痢と止めない方がよい下痢があります。止めてよくない場合でも脱水症状や体力の低下を予防するような対処は必要です。問題は、止めてよい下痢と止めてはいけない下痢の区別を一般の方が適切に判断できるかですよね。


また登録販売士も含めて販売側に適切に判断できる知識があるかです。この判断に誤りがあると下痢は止まっても具合が悪くなることがあります。大○薬品のコメントは売ることを優先した安易な内容だったと私は考えます。


また急性の下痢は大抵1〜2回で治まりますから敢えて下痢止めを使用する必要も少ないと感じます。もし使用するなら腸内の細菌バランスを改善させるために整腸剤を服用するのがよいでしょう。


漢方では、下痢だけで薬を決めることはなく発熱・腹痛・脱水の程度・・・の全身状態で選ぶようになっています。これは現代的な考え方でも同様ですね。細菌性の下痢の場合には下剤を使う場合も古典には書かれており、単純に止めてはいけないことは数千年前に気づいていたようです。


また正露丸に使用されているクレオソートも私は心配しています。原料が異なるとは言えクレオソートはタール系の薬品です。私が学生の頃に所属していた食品化学研究室で、タールなどの構造と発癌の関係を学びました。どうしてもこの記憶が気になり、現在は正露丸を初めとしたタール系医薬品の販売をしていません。


私ら薬剤師が国家資格なのは、薬物を使って人を傷つけたり(傷害)殺したり(殺人)出来るからだと理解しています。
だからこそ常に情報収集が必要なのだと考えているのです。
チョットくどくなりましたかね。本日はここまで。

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