家庭で血圧を測る時代に

家庭用の血圧計はかなり普及していると思いますが、活用している方はどのくらいいるでしょうか?
ほこりをかぶってどこかにあるようでは、・・・。

今年5年ぶりに新しくなる「高血圧治療ガイドライン」に関する講演会を昨夜聞いてきました。一番大きく変わった点は、家庭での血圧測定の重要性を評価したことです。なにしろ、診察室の血圧よりも家庭で毎日測る血圧を優先する内容ですから画期的です。
2週間〜3か月に1回測る診察室での血圧より、毎日測る血圧の方が、より正確な状態を反映していることから、家庭での血圧を診断に使おうとされました。

まずは、正確に測ることが大前提ですが、手軽とは言え、手首や指先で測るタイプの血圧計は、残念ながら向いていません。なぜなら基準を上腕で測った値で出しているからです。また、手首や指先は温度や動脈硬化の具合により上腕の値と大きくずれる可能性があります。だから、まだ血圧計を持っていない方は間違えないように買ってください。また正しい血圧計の使い方をきちんと確認するようにしてください。

高血圧は、動脈硬化を進行させる「静かな殺し屋」ですが、特に夜間や朝方の血圧がきちんと下がっていることが重要だとされます。夜間高いタイプや朝方急に高くなるタイプでは、大きな病気になる確率が高まるのです。その指標として、午前や午後に診察室で測る血圧よりも、朝方の家庭での血圧の方がきちんとリスク(危険性)を評価しやすいのです。しかも毎日測ることで、日々のばらつきがどの程度か確認することもでき、最近はこのバラつき(変動)が大きいほど危険だということがわかってきました。

ですから、たまに忘れることは仕方ないとして、家庭で血圧を測ることが、その人の普段の状況をより正確に反映していると考えられるのです。ただ、神経質に一喜一憂する必要はありません。自分の傾向をきちんと評価することが重要ですから、まずは測定してみましょう。

血圧の下げ方には王道はありません。減塩と体重管理と運動習慣です。この3つは続けて初めて効果が見えてくるものです。でも、しっかりとすれば、薬の1〜2種類分は効果が上がるのです。私も自分で話す講演などでポイントを伝えてくるのですが、少ない努力で最大の効果が得られるように考えています。このことは行動療法を勉強したおかげで効果的なポイントがわかるようになりました。

「血圧の薬は一生飲まなくてはいけない」と多くの方は考えています。でも重症タイプや循環器系の病気を経験した方などを除けば、普通は1〜3種類程度の薬が使われているだけですから、生活習慣の改善によって上手くすれば薬をゼロにすることもできるのです。

私は漢方家ですから、漢方薬を使うことももちろん考えますが、無駄な薬は極力使わない主義ですから、最初から漢方薬と言うのはありません。一時的に使うことはあっても、長く飲み続けることは苦痛ですよね、普通は。

血圧は単に、上と下の血圧だけでなく、脈圧(上と下の差)や左腕の血圧と右腕の血圧の差、あるいは腕の血圧と足首の血圧の比、一定期間測った場合の変動性、・・・など多くの情報が得られる手軽な健康ツールです。詳しくはお近くの専門家に確認いただきたいのですが、上手く活用してもらいたいものです。


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