肝腎なところが見えない《加齢黄斑変性》

今週は台風の動きから目が離せませんね。毎度のこととはいえ、台風の通過コースにある九州・四国・沖縄に住んでいる方にできるだけ影響がないことを願うばかりです。私のところは雪国なので大雪に対する対策や知恵がたくさんあります。台風が多い地域では台風に備えた対策や知恵がやはりたくさんあると思います。でも、君子危うきに近寄らず。不要な外出は控え、ケガや事故の無いよう注意していただきたいものですね。

私も老化現象なるものを日々実感することが多くなってまいりました。「漢方をやっているから不老長寿の薬を飲んでいるんじゃないの?」なんて言われることもありますが、そんなものありゃしません。まぁ、老化現象の発症を遅らせるような漢方薬は存在しますが、それとて不老長寿ではありません。で、老化現象を実感した最初の事件(私にとっては事件なのです)は、細かいものが見えにくくなったこと。視力は両方とも1.5でしたから目には自信があったのです。結果は老眼でした・・・。ですから、今あちこちに老眼鏡がおいてあります。自宅に、薬局に、車に、出張鞄に・・・。

老眼は老眼鏡で補正ができますが、補正の効かない目の成人病として《加齢黄斑変性》という病気があります。私たちの目の奥には網膜というフィルムカメラで言うところのフィルムに相当する組織があり、そこに映った像を脳で認識して《見えた》と実感します。網膜の中でも特に重要な部分が黄斑部と言われる部位で《黄斑変性は》この肝腎な部分に変化が現れるのです。私たちが物を見るときは見たいものに焦点を当てます。焦点はクッキリと周辺はボンヤリとみえますから、見たいものを見たいだけ見ることが出来るのですが、この部分が歪んだり影がかかっていたりすると大きなストレスですよね。

通常、両目が同時進行することより片目から発症してゆくので、気がついたときには相当進行した状態のことも珍しくありません。そして、《加齢 》とついているように年を取れば誰でも発症する可能性があるのです。50歳以上では80人に1人の発症だそうですからポピュラーな病気ですよね。時々は片目だけで見え方をチェックしてみると良いでしょう。

さて、ものが歪んだり影がかかって見えるのは、老化により黄斑部に新生血管という弱くて破れやすい血管が出来ることと関係があります。この新生血管から水分が漏れ出したり破れて血液が溢れれば網膜を持ち上げます。持ち上げた結果歪んだフィルムで像を見るわけですから真っ直ぐな線でも曲がって見え、血液を通してみれば影のように見えるわけです。

治療はこの新生血管を増やさないような薬剤があり、これを使ったり特殊なレーザーを使ったりしますが、あくまでも進行を抑えるだけで元の状態に戻すわけではありません。ですから早期発見が非常に重要なのです。
では、漢方薬は?漢方の考えも特別なものではありません。新生血管は汚血(おけつ)ととらえて駆汚血薬を使うことが可能ですし出血を予防するような漢方薬もあります。また漏れ出た水分に関しては水毒という考え方で対処できます。何故か、眼科疾患は水毒に関係する病気が多いような印象です。

私たちは、情報の80%くらいを目から得ていると言われますから、視力はいつまでも大切にしたいものです。加齢黄斑変性だけでなく緑内障など視力を失う病気に対する薬や治療法がある現在、時々チェックすることで早期発見できれば一生安心して過ごすことが出来ます。その上で、必要ならいつでも漢方薬の相談に応じますので遠慮なく来局ください。



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