加齢黄斑変性症を予防する

 ゴールデンウイークも終わり、いつもと変わらない日々のペースに戻れているでしょうか?4月から新生活が始まった方は、ゴールデンウイークで少し乱れたりしているのかもしれません。「5月病」も起こりやすい時期ですが、身近な人とのコミュニケーションで、この危機を上手く乗り越えましょう。身近な人との良好なコミュニケーションは、あなたを危機から救う大切なパワーを秘めていることに気づいてくださいね。

 「目は口程に物を言う」と言われるように、目はコミュニケーションに大きく関係しています。また、私たちは大部分の情報を目(視覚)から取り入れています。ですから失明する病気(緑内障・糖尿病性網膜症・加齢黄斑変性症など)を予防したいと思う気持ちは、どなたにもあるでしょう。緑内障は眼圧コントロールと微小血流改善が、糖尿病性網膜症は血糖コントロールと酸化ストレス対策がポイントとされます。そして、加齢黄斑変性症では…。

 加齢黄斑変性症は、日本では50歳以上の人の1%がかかる病気で、日本眼科医会によれば失明原因の第4位となっています。ただ、欧米では失明原因の第1位で、食生活の欧米化などにより日本でも増加しており、今後注意が必要な病気の一つとされます。加齢黄斑変性症の初期症状は、モノが歪んで見えることで、まっすぐな直線がくねくねと曲がって見えたら早めに眼科医を受診しましょう。さらに進行すると視野の中心部が見えにくくなるので、見たい部分が見れないという非常にストレスフルな状況になります。ですから、碁盤の目や障子の桟など格子状のものを時々眺めてセルフチェックすると初期症状に気づきやすくなります。

 加齢黄斑変性症は、目の黄斑部が障害される病気ですが、障害のされかたにより萎縮型と滲出型の2タイプに分類されます。萎縮型に対する有効な治療法は現在見つかっていませんが、滲出型にはいくつかの有効な治療法があります。それでも、完全に治るのではなく進行防止ですから、私たちとしてはできる範囲で予防策を講じたいと考えます。

 現在、黄斑部が障害される原因として酸化ストレスが注目されています。酸化ストレスの発生源として、喫煙と太陽光の青色光が重要とされます。喫煙に対して禁煙が最も効果的な方法ですが、予防効果が現れるのに10年位必要との報告もあり、禁煙に対する意思が弱くなりそうです。でも禁煙による発がんリスクの減少や生活習慣病に対する予防効果などの大きな影響も含めて考えれば、禁煙には相当なメリットがあります。太陽光の青色光には帽子及びサングラスの着用で黄斑部の負担を軽減することに尽きます。

 酸化ストレス対策として予防効果のある食品には、ビタミンA・C・Eなどの抗酸化ビタミン、ルティンなどのカロテノイド、亜鉛などの抗酸化ミネラル、ω-3多価不飽和脂肪酸などが知られています。酸化ストレス対策は老化現象に対するアンチエイジングにも有効ですから、これらを多く含む食品をとるように心がけたいものです。
日本で行われたJFAM研究によると、滲出型加齢黄斑変性症の予防についてルテイン含有サプリメントが有用とのデータがあり、抗酸化ビタミン・抗酸化ミネラルなどをサプリメントで摂取することも加齢黄斑変性症予防の選択肢の一つとなります。ただ、サプリメントは製品により品質にかなりのバラツキがありますので、どの製品を選択するかは専門家に相談いただければと思います。



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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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