風邪の予防に

4日に行われた漢方治療研究会はかなりマニアックな会です。マニアックな勉強をしなくても病名などから漢方薬を選択しても、一定の効果(3〜5割程度)は得られます。でも、現代医学的な治療が効果的でないケースや、病名がつかないケース、・・・いろいろな相談を日ごろ受けている身としては、マニアックな勉強により医療難民とも言われる人たちの役に立ちたいと考えています。現在、私の漢方相談の成績は7〜8割くらいですが、正直まだまだだと感じています。例え5分でも高められれば、その人の未来の人生が明るく変わるわけですから、解決のヒントを求めていろいろ勉強しています。
そんなこんなで10月、11月って学会や研究会が多いんです。この連休は、日本自律訓練学会と日本交流分析学会の合同大会に参加してきます。さらに翌週は、漢方三考塾の勉強会があり、生薬の解説を担当します。その次は・・・・。

さて、今年は寒くなるのが早く、風邪やインフルエンザが長期間にわたり蔓延しそうです。インフルエンザのワクチンを打つなら早めにするほうがいいかもしれませんね。
でも、やはり基本は、栄養や休養や保温・保湿など誰でも知っていること、当たり前のことですがとても重要です。ウィルスの侵入経路となる粘膜は乾燥に弱く、乾燥すれば損傷した粘膜部位から容易にウィルスが侵入し感染が成立します。日本で使用されているワクチンは、この段階では無効ですから、重症化を防ぐとだけ説明されているわけです。ウィルスは乾燥に強く粘膜は乾燥に弱いために、湿度が低下すればするほど感染し易くなるのです。そこで、加湿やマスクの使用が推奨されるわけです。マスクの使用には専門家の間でも賛否両論があるようですが、主な侵入経路である口・鼻・喉などの粘膜を湿度70〜80%に保ち、乾燥から守ることがわかっています。この湿度なら、インフルエンザウィルスは動きが鈍り粘膜の防御能も十分発揮されると考えられます。実際に東京都内の小学校でマスクを使用したクラスと使用しなかったクラスとでインフルエンザ感染率に差が出ています。

また、充分な睡眠(定義が難しいものの翌朝のスッキリ感が得られればOK)がとれている人と不十分な人では、風邪症候群のなりやすさ(風邪の引きやすさ)で、4倍もの差が出たとの報告もあります。免疫系の働きは複雑で、単純にどの細胞が増えたからいいと言った安易な結論は出せませんが、あまり明確な根拠のなかった言い伝えにも科学の目が入ることで、改めて古人の知恵に驚かされます。

栄養にしろ、冷えにしろ、疲労にしろ、根拠が無いわけではなくて根拠を示してこなかっただけであると思いますし、非科学的ではなくて科学が証明してこなかっただけなのではないかと言われています。時節柄、ノーベル賞の話題で盛り上がっていますが、古くからの知恵や言い伝えにも学ぶべき点が多々ありますし、それを科学の目で説明できるようになれば更に活用しやすくなるのでしょう。

私ができることは、日々の相談業務の中でコツコツと経験を重ね、その経験から推測できることを発表し、真偽を問うまでです。その結果を誰かが科学の目で普遍的なものとして明らかにしてくれればいいなぁと考えています。
そのネタ探し、日常業務のヒントになりそうなものを求めて、学会や研究会に参加しています。そして、皆さんにとって役に立ちそうな情報が入ったらブログなどを利用してお伝えしています。
マスクの使用や十分な睡眠で、インフルエンザや風邪症候群の感染者が減ったら、私らの仕事は暇になりますね。でも、必要な人には充分な時間をかけて相談ができるとも考えられます。

ワクチンを打つことも重要でしょうが、その前に自分でできること(恐らくワクチンよりも何倍も効果的)を一つ一つ実行してみてはいかがでしょうか。ただ、持病があり感染により状態が悪化する恐れがある人は、積極的予防策となる漢方薬もありますので、ご相談ください。体質に合った漢方薬をお渡ししたいと思います。



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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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