不登校の原因にもなる起立性調節障害

お盆が終わると私は稲刈りの時期に入ります。田植え後から気温が高かった今年は、例年に比べ稲刈りが4〜5日早くなります。いつものことながら暑い最中の稲刈りはちょっとした苦痛です。田んぼに向かうまでの準備の時が苦痛のピークでしょうか、何事も始まるまでは大きなエネルギーを必要としますね。

学生さんにしてみれば長かった夏休みが終わり、いよいよ学校が始まる1〜2日前は「行きたくな〜い」気分に襲われているのではないでしょうか?学校によって始業日は多少ズレるのでしょうが、9月1日は学校関係者にとって注意が必要な日です。学生さんの自殺が多いので、教師の多くはピリピリしながら9月1日を迎えることでしょう。自殺は保護者にとってもショッキングな出来事ですから防げるものは防ぎたいですよね。そこで、夏休みの終わりに近づくにつれ子供さんの様子に変化(普段と違う様子)が見られたら、さりげなく気持ちをチェックしてみましょう。無理しなくて良いことを伝えるだけでも、お子さんの気持ちは軽くなるものですから。

さて、怠けでもなく、気合が足りないわけでもない、でも起きられない(学校に行けない)という病気があります。起立性調節障害と専門的に呼ばれており、自律神経失調によりいろいろな体調不良が起こります。ひょっとしたら低血圧症と診断されているかも知れません。「朝、起きられない」と思春期の学生が言ったら、まずはこの起立性調節障害を疑ってみると良いでしょう。不登校の4割がこの病気だとの報告もありますし、軽症も含めれば中学生の1割に認められると報告されるほど比較的身近な病気なのです。

比較的身近でありながら周囲の理解が得られずに苦しんでいる人は多いようで、「怠けている」「サボっている」「気合が足りない」などと言われることもあるのです。本人は、立ちくらみ・めまい・頭痛・食欲不振・腹痛・疲労感・失神などで苦しんでいるのですから、身近な人から理解されない心の苦しみは想像以上のものでしょう。
さらに、自律神経のアンバランスからくる多彩な症状により、治療も対症療法が中心とならざるを得ないものの、全般的な治療満足度は決して高くないようです。これは機能性疾患に対する現代医学の課題と言えます。

起立性調節障害東洋医学的な視点で見てみると、いくつかのタイプに分類できます。胃腸機能低下タイプ・新陳代謝不良タイプ・水分代謝不良タイプ・発育不良タイプなどが代表的なタイプです。そしてそれぞれのタイプを更に細かく分類することができますし、対応する漢方薬も存在します。

当薬局での経験では、どのようなタイプであっても必ず適切な漢方薬が見つかると言えます。起立性調節障害だけでなく機能性疾患は漢方薬が得意とする疾患ですから、漢方に詳しい専門家に相談すればピッタリ合う漢方薬を提案してくれることでしょう。諦めることはありません。なにしろ「東洋医学は諦めない医学」だからです。

また、起立性調節障害ではないのに不登校・引きこもりになっているケースでは漢方薬では対処できないこともあるでしょう。そのような場合はカウンセリング・心理療法が有効です。いろいろなアプローチがありますが、私なら家族療法・システムズアプローチをお勧めします。詳しいことは別の機会にしたいと思いますが、諦めることはないので希望を捨てないでいてください。



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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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