尋常性乾癬に除脂肪ダイエット

 5月は初夏という爽やかなイメージが以前はあったような、そんな気がします。しかし、本格的な夏の始まりと思って、それなりにいろいろな対策を始める方がよさそうですね。日焼け対策、熱中症対策、虫刺され対策、食中毒予防、ダイエット、夏バテ対策、などなど。「今年も猛暑」なんて話もありますので、「まだ早い」とゆっくりしていると痛い目に合うかもしれません。

 暑い夏は、肌の露出も多くなるので、皮膚病が増える時期と言われています。いろいろな刺激による湿疹・皮膚炎は確実に増えますし、日本の蒸し暑い環境は水虫などの真菌類が活発に繫殖する時期でもあります。また、慢性の皮膚疾患がある人は、他人の目に触れる機会が増えるため、皮膚科受診につながるのです。そんな慢性皮膚疾患の中でも尋常性乾癬は、身体的にも精神的にも大きな苦痛を伴うことがわかっています。それはアトピー性皮膚炎のように広く知られている皮膚疾患ではないので、周囲の人の理解が得られにくいということもありますし、無理解以上に誤った認識(例えば、伝染する)などもあるのです。事実、尋常性乾癬は伝染する病気ではありません。

 そんな尋常性乾癬も難治性皮膚疾患ではなくなってきています。近年、盛んに開発されている抗体医薬の登場により、治療法は大きく進歩したのです。尋常性乾癬は免疫システムの異常が病気の本態です。その本態をなすサイトカイン(TNFαやIL17Aなど)を狙って無力化する医薬品が抗体医薬と呼ばれるものです。したがって、今までは対症療法に過ぎなかった治療法が、原因療法に進歩してきたわけです。ただ、従来の治療に比べて費用面で高いのが難点です。またサイトカインは免疫システムの一部ですから、副作用として重症感染症などの問題もあり、適応するケースを慎重に選ぶ段階にきています。

 そんな抗体医薬の効果に、安価で匹敵する方法があります。それが除脂肪ダイエットですが、尋常性乾癬は太っている人が多く発症していることと関係しています。実は、サイトカインというのは脂肪細胞から多く分泌されているので、ダイエットにより体脂肪や内臓脂肪を減らすことは大切なことなのです。しかも、高価な抗体医薬にも匹敵するほどの効果があるとなれば実施しない理由はありません。正しく行えば、副作用はないばかりか、生活習慣病の予防にもつながるなど多くのメリットが期待できるのです。

 ちょうど、ダイエットに取り組みやすい時期になっています。尋常性乾癬でなくても、この機会に取り組んでみてはいかがでしょうか。ただ、多くのダイエットに共通する問題点があります。減らすのは、あくまでも脂肪です。巷には、手軽に実施できるダイエット法がたくさん存在していますし、毎年のように新しいダイエット法が誕生しています。そして、その手軽なダイエットにより体重が減っても、ターゲットの脂肪よりも筋肉や骨といった減らしたくない組織が減っていることと、必ずと言っていいほどリバウンドによる脂肪の増加を経験しているというのが、現実のようです。結果的には、ダイエット前よりも体脂肪や内臓脂肪は増えているのです。

 当薬局で提唱する方法は派手な効果はありませんが(たぶん)、脂肪をターゲットにしてますので筋肉や骨などの大切な組織の減少は心配ありません。しかも、リバウンドしにくいようにプログラムを組んでますので、長期的な視点でも健康的な方法だと思います。当薬局のダイエット法のオリジナルは大分大学第一内科の方法で、それを薬局でも実践しやすいようにアレンジし、行動療法の視点をプラスして出来上がりました。興味のある方はご相談ください。



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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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