風邪を早く治したいときの薬の選び方

 今年も残すところ2週間。来週22日は冬至で、23日以後は昼の時間が少しずつ伸びてゆきます。寒さのピークは1〜2ヶ月遅くなりますが、日が長くなるのは気分的にもいいものです。ただ、年末年始の慌ただしさや冬の寒さ、忘新年会による生活の乱れ、・・・体調を崩す原因が多いのもこの時期です。健康を過信せず、客観的に自分自身をモニターして体調管理に努めてください。

 寒さと共に、くしゃみ・鼻水・発熱・咽の痛み・・・、などのいわゆる風邪症候群になる方が増えてきます。突然の高熱や全身の痛みで始まればインフルエンザの可能性がありますが、ちょっとした軽い発熱や鼻水程度なら、市販薬で様子を見る人も多いのではないでしょうか。TVコマーシャルでも、「あなたのタイプは、熱?咽?咳?」などと、風邪のタイプで使い分けるように宣伝しています。(一見、正しいようですが・・・)

 いわゆる総合感冒薬には、風邪の諸症状に対応できるように、解熱薬(熱を下げます)、抗ヒスタミン薬(くしゃみ・鼻水を止めます)、鎮咳去痰薬(咳や痰を止めます)、カフェイン(抗ヒスタミン薬の眠気を防止します)、を基本に数種類の薬を組み合わせています。すべて症状を抑えるのが目的で、風邪の原因ウィルスを排除するものではないのです。

 症状を抑えることで身体は楽になりますが、「楽になる=治る」ではありません。そこで、どのような目的で総合感冒薬を飲むのか?一度考えてみてはいかがでしょうか。解熱薬=鎮痛薬ですので、「熱の風邪」「咽の風邪」では、解熱薬が配合されています。解熱薬と風邪の関係については多くの報告があり、解熱薬を使用すると、風邪の治りが遅くなることが知られています。

 つまり、コントロール不良の喘息があるなど健康リスクが無い人で早く治りたい人にとっては、解熱薬配合の総合感冒薬は逆効果になると考えられるのです。もちろん、症状が強くて少しでも楽になりたい人には解熱薬を使って症状を抑える方がいいのかもしれません。解熱薬の使用で風邪の治りが1〜2日遅くなるので、1日でも早く治したいという人には、総合感冒薬を私はススメません。

 個人差はありますが、体温38〜38.5度以上で体力の消耗も激しくなりますから、必要なら頓服として解熱薬を使用するのが賢い使い方ではないでしょうか。解熱薬は副作用の報告も多い薬剤です。そんなことを考えると総合感冒薬ではなく、今の症状にまとを絞って薬を選んだらいいのではないかと思うのです。その時のアドバイスは私ら専門家にお任せください。

 仕事や入学試験などで症状をとにかく抑えるのなら薬剤A、症状自体は何とかなるので1日も早く治したいなら薬剤B、などと提案させて頂きます。もちろん、症状によっては病医院を紹介することだってあります。当薬局なら、漢方薬を中心に提案することになります。

 あなたは、風邪をどんな風に治したいのでしょうか?


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新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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