全国的にコロナウィルス感染者の増加が止まりません。新潟県を含め
新規感染確認の最高記録を更新する毎日です。加えて、重症者の人数も
増加しており、入院が困難になっていると報道されています。
自宅待機している感染者は心細い思いをしていると想像できます。
入院治療を要するような重症度を測るツールとしてパルスオキシメーター
があります。自宅待機者には貸与している自治体もありますが、絶対数が
不足しているとも聞きました。
そこで、ローテクながら重症化の目安となる指標を紹介します。
コロナウィルス感染に特化したものではありませんが、危機的な重症度を
拾い上げるには充分です。
一つは、肺炎かどうかの判断に体温計と時計があれば済む方法。
体温が37.8℃未満、脈拍数100回/分未満、呼吸数30回/分未満、これら
3つとも該当している間は肺炎の可能性は極めて低いと判断できます。
(Metlay JP,et al. JAMA.1997;278:1440-5.)
また、救急現場で使用される「クイックSOFA」は重度の感染状態を
示す敗血症を拾い上げる指標で血圧計と時計があれば使えます。
呼吸数22回/分以上、最高血圧100mmHg未満、精神症状あり(普段通りの
会話ができない、など)、のうち2つ以上該当すれば敗血症と判断します。
血圧計がなくても、手首の橈骨動脈で脈が触れにくければ、血圧は100
以下になっていると考えてよいので、私のローテクでは、
《呼吸数22回/分未満、手首で脈が測れる、脈拍数100回/分以下》なら
自宅待機でも心配のない目安としてお伝えしています。
運悪く感染して自宅待機になった場合、パルスオキシメーターがなくても
積極的に重症化のサインを拾い上げて、入院治療の道へつながって欲しいと
思います。
コロナウィルスのアルファ株が関西で流行した頃、大阪の呼吸器科医が
「アルファ株感染症は、従来の新型コロナ感染症とは全く違う感染症のように
感じる」と述べています。今流行中のデルタ株の感染力・重症度は、もっと
異質の感染症と感じていることでしょう。
ワクチンを打ったからと油断できない手強い感染症が、今全国で拡大して
います。あらゆる交流が断たれている状況を早く打破するためにも、まだまだ
我慢が必要かもしれませんね。
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薬剤師・公認心理師(心理カウンセラー) 廣橋 義和
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