比較的新しいめまいの概念に「持続性知覚性姿勢誘発めまい」が
あります。あまりにも長いのでPPPDと略されます。
めまい症状を起こす病気として、メニエール病や良性発作性頭位
めまい症(これはBPPVと略します)が多くを占めています。
それ以外にも、前庭神経炎や心因性めまいなどがありますが、どれ
にも当てはまらない場合に、単なる「めまい症」とされ、一般的な
対症療法が行われることになります。
2017年に、めまいの国際学会で提唱されたPPPDは、単に
「めまい症」と片付けられていた困っためまいの多くを占めると
考えられ、PPPDと診断されれば対症療法ではなく積極的な治療
が可能となります。
専門医以外では、まだまだ認知度は低いようですので、以下の
項目でめまい症状が悪化する場合はPPPDを疑い医師に相談する
ことをおススメします。
急に立ち上がる、急に振り向くなど、急な動作をする
スーパーやホームセンターなどの陳列棚を見る
テレビや映画などで、激しい動きのある画像を見る
車、バス、電車などの乗り物に乗る
丸椅子など、背もたれやひじ掛けのない椅子で座った状態を保つ
メニエール病や良性発作性頭位めまい症(BPPV)では、
水分の偏在を解消する漢方薬で改善することも少なくありません。
PPPDなら、SSRIなどの抗うつ薬、理学療法として前庭
リハビリテーション、心理療法では認知行動療法、が治療に用い
られます。
PPPDの場合、水分の偏在を解消する漢方薬では改善しにくい
と思われます。おそらく、今までの相談で改善度が低かったケース
は、PPPDだったかもしれません。
今なら、SSRIに代わる漢方薬を使用しながら認知行動療法を
併行し、前庭リハビリテーションをアドバイスすることになります。
「めまい=漢方薬A」などと簡単に決まらないものです。
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薬剤師・公認心理師(心理カウンセラー) 廣橋 義和
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