「漢方相談をやっていて良かった」と思えることの一つに
咳の相談があります。とにかく、咳に効くたくさんの漢方薬が
あるのです。ただ、効果を上げるためには、それらを使い分ける
知識が必要ですけれど。。。
専門的には、3週間以上続く咳を遷延性咳嗽、8週間以上
続いている場合は慢性咳嗽と呼んでいます。そして、咳は
とにかく止めればいいという単純なものではありません。
最近、新たな鎮咳薬が登場していますが、ジヒドロコデイン
などと同様、無理やりに咳を鎮める作用があります。簡単に
言えば、咳の原因とは関係なく咳を止めるように働きます。
咳は、遷延性・慢性という期間で区別するほかに、乾性・湿性
という性状で区別したり、咳喘息・アトピー咳嗽のように反応
する薬剤で区別したりと、いろいろな分類法があります。
私は、解剖学的診断プロトコルを意識して相談に当っています。
(Arch Intern Med 1977; 137: 1186-1191)
これは咳を引き起こす神経の分布と、刺激の神経伝達に注目した
考え方です。
例えば、咽喉にある神経が刺激された場合と、気管支や肺の
神経が刺激された場合では、咳の出方も異なるため使用する
薬(漢方薬など)は違ってくるのです。
さらに、東洋医学的な乾性・湿性や熱性・寒性などの概念も
併せて、どのような理由で咳が止まらないのか(病態仮説)を
推理して、回復に必要な漢方薬を選択・提案するのです。
具体的に数えたことはないものの、30~40種類の漢方薬が
咳に使用されます。これでも充分といえないでしょう。しかし、
当薬局に訪れる咳の相談(大多数は病医院を受診済み)では、
問題なく対応できているのも事実です。
止まらない咳を、無理やり止める方法はデメリットが多い
ので、できるだけ相談するようにしていただけたらと思います。
その際、当薬局ではいろんなことを伺いますので、時間の余裕を
持ってお出でください。
長岡の相談薬局・ひろはし薬局 TEL (0258)37-7551
薬剤師・公認心理師(心理カウンセラー) 廣橋 義和
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