めまいと乗り物酔い

今年の春はめまいの相談が多かった。めまいといってもいろいろである。目の前が暗くなる、周りがぐるぐる回る、雲の上を歩いているような感覚、立つとフラッと来る、など。
病院で検査をした方なら重大な病気はないと思うが、診察を受けていない方は、小脳の病気や突発性難聴の可能性がないことを確認して、必要なら専門医を紹介している。


器質的に異常がない場合は、漢方薬が比較的よく効く。ブクリョウ・タクシャ・ハンゲなど水分代謝を改善する生薬が配合された薬方の出番が多い。つまり水分の摂取過多がめまいの原因になっているのである。


水分の摂り方は難しい。「のどが渇いても少しずつ飲むこと。けっして浴びるように飲んではいけない。」と古典に書いてある。しかし、現実は味がよく冷えた飲みやすい飲料の台頭で、しかも血液サラサラデトックスのブームに乗って水分過多の人がいかにも多い。


トラベルミンという薬は、乗り物酔い防止でお馴染みだが、めまいの薬でもある。漢方薬でも乗り物酔いの薬とめまいの薬は水分代謝を改善する薬方を使う。レジャーでなにかと出かける機会が増えるが、乗り物酔いになりやすい人は是非水分の摂り方にも気をつけて欲しい。


私は以前に、水分代謝を改善する薬方で”てんかん”の少年を治したことがある。めまいや乗り物酔いなら大きな心配はないが、てんかんならどうだろう。
たかが水だが、されど水である。何事もほどほどに!


自律神経失調症不妊症と婦人病
新潟県長岡市 漢方相談 ひろはし薬局
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