やけどをきれいに治す

土曜日は薬局を閉めてから仲間と勉強会。やけどの応急処置から治る過程を追いながら、如何にきれいに治すかを勉強しました。火傷は冷やして化膿させないように注意しながら自然に治るのを待つのが一般的ですが・・・。


火傷で一番気になるのはケロイドと呼ばれる瘢痕でしょう。特に真皮にまで損傷が及んだ?度以上の火傷では、ケロイドになる可能性が高くなります。ケロイドができやすい体質も関係していますが、どちらにしてもできるだけ目立たないように治したいのはホンネですよね。低温火傷も皮膚の深くまで(真皮にも及ぶ)損傷しますから注意が必要です。


そこでまずきちんと冷やすということが大切になります。直接水圧をかけないように流水や氷嚢で冷やします。その後数日間シップ薬のセロファンをはがさず患部に当てておけば、痛みの緩和や充分な冷却が期待できます。皮膚の熱を取る作用があるビャッコトウ類・エッピトウ類を飲めば更に効果的です。


その後は早くきれいな治癒を目的とした治療法に変わります。皮膚欠損・浸出液の有無で異なりますが紫雲膏を中心に皮膚の再生を積極的に図ります。この時に注意が必要なのですが患部の皮膚をたるませるようにテープなどで固定することがケロイド予防に重要になります。


ケロイド体質の人はエッピトウ類を引き続き服用するのがいいでしょうが、ケロイド体質以外の人では皮膚の再生に効果があるケイシトウ類や駆オケツ剤を使用します。化膿していない限り(化膿も程度によりますが)消毒剤は必要ありません。


上記までで皮膚の新陳代謝を考えると最低でも3週間程度は必要となります。通常の方法に比べケロイドになる可能性はかなり低いと思われますが、運悪くケロイドができた場合は形成外科にお願いするしかないでしょう。漢方薬の服用は皮膚科の治療と平行して行うことができますから、早くきれいに治したい時はご相談を!


最後に色素沈着の問題について。場合により患部にシミのような色素が残ることがあります。一般的な美白に使用する成分を含有する化粧品などを使用すればよいのかも知れませんが、今ひとつ効果がありません。


このような時皮膚の有害物を吸着する働きのある”アクル”を使用します。一応化粧品として登録されていますが、皮膚トラブルで困った時に試す価値は充分ある製品です。


40代女性で揚げ物の調理中に跳ねた油が顔にかかりケロイド体質のため心配して相談されたことがありました。キュウギャクトウという漢方薬を飲みながら、紫雲膏を使い最後にアクルを使いました。痕も残らずきれいに治って感謝されたことがあります。


やけどを早くきれいに治す。皮膚の構造・傷の治り方・ケロイドの出来方・などを知って、皮膚の状態を見ながら一番適した薬と効果的な使い方が必要です。でもその前にシッカリと冷やすことが組織の損傷を最小にすることになります。


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