クマノイと肝臓

連日の暑さ、仕事を終わって帰ってからのビール(正確には発泡酒です)がたまらなく美味しいと感じます。連日飲んでいるので、家族からは心配されて時々隠されてしまいます。


そこで以前から肝臓病に使われてきたクマノイ(熊胆)について報告された文献が手に入りましたので、記してみたいと思います。


その文献とは京都府立医科大学第三内科の中嶋らが薬理と治療誌に発表した報告です。ゴオウおよびクマノイの肝機能改善作用について臨床結果・ラットでの実験・考察を記しています。


それによると、ゴオウ200mgとクマノイ60mgを併用したケースで著明に肝機能が改善し、中止で悪化、再服用で改善して、ゴオウとクマノイの併用が効果的であったとのことです。


ラットでの実験では、ゴオウ単独よりもクマノイ単独で肝機能は改善し、併用した場合には更に改善効果が強く認められています。


クマノイの成分はウルソデオキシコール酸ですが、現在医療現場では300〜600mgを使用しており、効果の度合いから考察すれば、ウルソデオキシコール酸だけでクマノイの効果は説明できません。


文献もウルソデオキシコール酸以外の有効成分の存在を指摘しています。ゴオウは特級品ほどビリルビンの含有量が高いのですが、やはりビリルビンだけでは説明がつかないとされています。この辺りが、経験で有効とされているものと科学分析の相違でしょうか。


ゴオウは肝臓の血流量を著明に増加させることから、クマノイなどの肝臓治療薬を集中的に肝臓に送り込むことができ、併用での効果が高まったと考察されています。


ゴオウやクマノイは天然物のため多く採取できないこともあり、価格が高めです。実勢価格はゴオウが1g1000〜1500円、クマノイは1g2000〜3000円になります。


合成新薬にはない特異な作用があるからこそ、価格が高めでも根強く残っているのでしょう。めったに使える物ではありませんが、時々使用した経験を言えば、どうしようもなく困った時には効いてくれました。


C型肝炎や肝臓ガンなどの病気で有効な治療法があまり無い方は一度ためしてみる価値があるでしょう。


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