一昨日に新潟市のユニゾンプラザにて行われた東洋医学会の新潟県部会で特別講演がありました。富山大学和漢医薬学総合研究所所長の済木育夫教授による「漢方薬によるガン転移抑制に関する基礎的研究」です。
漢方薬の場合ネズミの結果をそのまま人に応用するのは無理があります(体質の関係で)が、非常に興味深い内容でした。私は済木教授の話を聞くのは2回目ですが、難しい内容を優しく教えてくれます。
そのまま応用できない理由として体質が挙げられますが、例えばA種のネズミで大腸ガンの転移を抑える漢方薬がB種のネズミでは転移を抑えないなどのデータが示され、種類の違い=体質の違いと解釈されていました。
そうすると”○×湯”と言う漢方薬がネズミの実験で大腸がんの肝臓転移を完全に抑えたとのデータが出ても、効く人もいれば効かない人もいるわけです。本来の漢方治療とは、もともとこのようなものですが、やはりガンの場合、タイムリミットがありますから無駄な時間は費やしたくないので皆悩むわけです。
でもこの生薬の組合せが免疫細胞を活性化しているということがわかりますから、ある程度絞って漢方薬を選択することができますね。また漢方薬が効果を示すための条件として腸内細菌が必要と言われています。この根拠となるデータも示してくれました。
正しい食生活(食生活に正しい・間違いなどあってはいけないのですが)により腸内環境を正常に保っていれば漢方薬が効きやすいわけですね。おならが臭い・便秘・便臭が強い・・・などは腸内環境が悪化している可能性がありますから注意しましょう!
ガンは総合的に対応する必要のある病気ですが、いたずらに根拠の無い情報に振り回されて大金を捨てることのないように、また寿命を縮めることの無いように冷静に(できるだけ)対応してください。そのために我々専門家を利用していただければと思っています。
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