ハチ刺されはアレルギーと考えるべき

秋は行楽シーズンでもあり、学校行事では遠足なども行われます。一方キノコ採りやハイキングなどで里山などを散策する機会もありますが、クマやハチなどのトラブルにも注意が必要です。


日本ではハチに刺されて死亡する人は年間20〜30名とされています。その死因はアナフィラキシーショックによる死亡で、アレルギー反応の激しい症状です。ハチによるアナフィラキシーは食物の約10倍とアナフィラキシーによる全死亡の大部分がハチが原因です。


ハチ刺されによる全身症状は10〜20%(この内80%が皮膚症状)で認められ、ショックを起こすケースは数%ですが、アレルギーの特性として一度でもハチに刺された事のある人は症状が重症化しやすいと考えることが賢明です。(単にハチという虫に刺された皮膚病ではないということです)


ハチ刺されで局所過剰反応を経験した人は、再度ハチに刺されると5〜10%の確率で全身症状が現れます。一度、全身症状が出た人は再度のハチ刺されで半数以上が以前の症状よりも重症化するとの報告があります。


ハチに刺されアナフィラキシーショックの危険性が高い人とは、▼一度でも全身症状が出た人▼短い期間に繰り返し刺された人▼高齢者や小児、となります。


ハチに刺されたら、どうしたらよいのでしょう。
▼毒針が刺さっていたら抜き、刺された局所を冷やし、心臓に近い所を紐などで縛る
▼局所症状だけの時:Strongクラス以上のステロイド軟膏(もしくはクリーム)を塗る
▼局所症状が強い時:上記に加え、抗ヒスタミン剤ステロイド剤の内服を考慮する
▼全身症状(吐気・めまい・発汗・じんましん・震え等)が現れた時:仰向けに寝かせ両足を高く上げ(ショック体位)エピペン(アナフィラキシー用の救急薬)があれば直ちに使用する
30分以内ならエピペンの使用でほとんど死亡者は出ないようです。


エピペンがない場合(ほとんどこのケースでしょう)は早急に近くの医療機関に搬送すること!(エピペンは自費の場合2万円程度で処方してもらえますが使用期限は1年強と短いため、同様の作用を期待して還魂湯+六神丸を携帯したらどうかと私は考えます)

ハチに刺されないための予防策
▼衣類や身につける物は、白色に近い色とし黒色や花柄は避ける
▼コロンや香水・化粧品など芳香はハチが興奮しやすいので極力避ける
▼必要のない音や振動を起こさない
▼ハチが近くに来たら、静きを止めハチが去ってから静かに移動する。決して追い払おうとしたり殺虫剤を使わない
▼万が一に備え、エピペン(入手できなければ還魂湯+六神丸)を携帯するとよい


君子危うきに近寄らず・・・ハチは天気のよい日に活動が活発になります。小春日和の行楽は楽しいですが、クマ・ハチ・マムシ・・・などにも気をつけて楽しい思い出を作ってください!
      参考:ひろはし薬局ホームページ

 ------------------------------------------------
生活習慣病・皮膚科の病気・心療内科相談・不妊症・漢方薬
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/

過去のブログの主なものはホームページにリンクを貼ってありますから、見たい記事がありましたら《ひろはし薬局のホームページ→過去のブログ》から探してみてください。

メールは《Re:タイトル》でお願いします
hirohash@seagreen.ocn.ne.jp

講演を希望される方はホームページを参考にしてください。