タトゥーとリストカット

先週参加した全国学校保健研究大会で、安易な性交渉の背景に希薄な人間関係があると聞きました。勝ち組・負け組格差社会との言葉に日本社会の年功序列制度から能力至上主義への転換を感じていますが、人間関係が今以上に希薄になっていくような恐怖を感じています。


大塚薬報に”いれずみ物語”と題した連載コラムを熊本保健科学大学学長の小野友道氏が書いています。今月号に「タトゥーママ(小竹由美子訳)」という小説の一節を紹介し、いれずみは一種の自傷行為とも考えられると書いてありました。


自殺者は毎年3万人を超え特に若い人の増加が気になるのです。タトゥーを入れる若い人すべてが自傷目的で入れるわけではないでしょうが、ストレス社会と言われる現在、タトゥーを入れる人が目立つのは単におしゃれに限定できない何かがあるのかもしれません。


そういえばピアス(これも身体を傷つける点では一種の自傷行為)が流行ってきたのは何年くらい前でしょうか。自殺者が3万人を超えたのは約10年前です。その頃からだとしたら単なる偶然なのか興味深いものがあります。


自傷行為の目的として、1)他人の目や気を引く、2)儀式として、3)自己認識のため、4)痛みによって助けを求めるため、5)現実からの逃避、6)今までの自分からの変化、などが挙げられます。


リストカット(手首に刃物を当てる行為)は精神的にかなり追い詰められた印象を与えます。その一方ピアスやタトゥーなら精神的ダメージを隠すこともできるわけです。けれど単におしゃれ目的だけでなく、何か心の叫びを訴えているとしたら・・・と考えることが必要なのかもしれません。


今年は若い人による硫化水素自殺や無差別殺人が多く発生しました。景気もしばらく悪い状態が続きそうですし、社会全体が暗い雰囲気に包まれています。でもあなたの身近な人の変化に気づいてあげることで不幸な結果は避けることができるでしょう。


タトゥー・ピアス・リストカットは一直線上に並ぶ関係でもあることを知っておくことが大切だとコラムを読んで感じました。私のところでは漢方薬やハーブ・薬草療法とカウンセリング・心理療法を組み合わせて対処したいと思います。

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