痔と漢方

昨日は市内の小学校の環境検査へお手伝い兼アドバイス役として同行してきました。今年度から騒音検査など新しい項目も増え、時間がかかるので大変です。来年度からもっと効率よい手順を考えないと予定時間内に終わらないこともあり得ますね。年々学校薬剤師業務が煩雑になってきており、今のままでは参加する薬剤師が減るのではないかと危惧しています。


さて、老若男女問わず世の中”痔主”の方は大勢いらっしゃるようですが、場所が場所だけに大抵の方が事故治療されていることでしょうね。でも症状だけで痔と判断するのは危険なことだと痔を専門とする医師から症例を交えて教えていただいたことがあります。


ですから最低でも私は症状を詳しく聞いて(これも嫌がられます)短期間の様子を見ながら薬を差し上げています。怪しいケースは、可能性の話として受診を促すことも薬剤師としては当然のことと考えています。だからドラッグストアなどで簡単に手にとってカゴに入れるような販売法は好きになれません。


痔の多くは、イボ痔(痔核)と切れ痔(裂肛)です。ですから軟膏と坐薬があれば軽い状態であれば対応できると考えられます。事実痔の専門医でも最初から手術に至るケースは少なく、軟膏や坐薬で様子を見ることがほとんどですから。近年は注入軟膏と言って浣腸のような容器に軟膏を入れて、1本で軟膏と坐薬の両方の使い方ができる製品が多く使われるようになってきていますね。


痔は肛門の病気と言っても、内科の症状などとも関係が深く、下痢や便秘などの排便異常・肝機能障害・血流障害・などが悪化要因や基礎疾患として存在しますから、これらを改善する方法を併せることが根本的な解決策として重要です。ですが、速効性に欠けることもあり、なかなか真剣に取り組む方は少ないのが現状ですね。


それでもこじれたケースで且つ手術を避けたいと、相談される方が時折いらっしゃいます。当然話を聞いてからどうするか考えます。受診までのレスキュー薬として数日分渡すケースや漢方薬を試してみるケースなど、状況次第です。


痔の漢方薬としてはオツジトウが有名ですが、私はほとんど使いません。私が使うのは、ケイシブクリョウガン・トウガクジョウキトウ・トウキケンチュウトウ・ケイシカシャクヤクトウ・ケイシカダイオウトウ・シギャクサン・マキョウカンセキトウ・など多数あり症状や体質により使い分けます。


漢方薬まで使うなら、相談者の満足度は比較的高く、私の痔の相談成績は決して悪くない印象を持っています。ただできれば便通を調えたり肛門周辺の血流を促したりする最低限の努力はしてもらえればと考えます。

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