肝炎が治りやすい条件は?

今年は春が遅いでしょうかね。なんかいつまでも雪が降りますね。今日、柏崎から来る予定のお客さんが雪のために出て来れないみたいです。春が待ち遠しいですね。


昨日は長岡肝臓病研究会に参加して来ました。『ウィルス要因と宿主要因に基づくC型慢性肝炎の治療戦略』と題し、武蔵野赤十字病院消化器科副部長黒崎雅之先生の講演がありました。


今のC型肝炎の治療にはインターフェロンを使います。インターフェロンを使うようになって、ウィルスを排除できるようになったと言っても過言でなく、更に抗ウィルス薬を併用することで飛躍的に排除率は上りました。ここ10年くらいの間に劇的な進歩をした治療法です。ウィルスのタイプにもよりますが、著効率(SVRといいます)50〜80%が現在の状況です。


ただ効果のない場合があることも事実で、どのようなケースで効果があるのかを、整理したデータマイニングという手法で黒崎先生は示してくださいました。このデータマイニングは非常にわかりやすく、比較的小規模でも応用できる手法かと思われます。


肝炎の治りやすい条件は遺伝子学的にも研究が進められています。高齢者より若年者のほうが治りやすいにもかかわらず、多忙を理由に治療が行われてないケースが少なくないようで、肝臓ガンになる病気ということを考えるともったいないなと思います。


性別では男性の方が治りやすいようで、理由は良くわかりませんが性ホルモンなどが関係しているのでしょうか。またインスリン抵抗性があると治りにくいこともわかっています。これらを総合すると肥満気味の高齢の女性は治りにくく、太っていない若い男性は治りやすいと言えます。


時間がなくて確認できなかったのですが、治りにくいケースでも数年後に発売される新薬で効果が期待できる一方、それでも治りにくい場合はどのような治療を行うのかなと考えます。肝庇護剤や利胆剤などを用いたり肝臓に溜まった鉄を除く意味で瀉血をするなどでしょうね。


瀉血C型肝炎では、注目されており貧血に注意する必要はありますが肝機能の改善が認められます。瀉血ではなくても鉄分を制限する食事により、肝機能が25%は改善するようですから注目に値しますしバカに出来ませんね。一般的に肝臓の病気というとレバーやシジミとなるわけですが、これらの食品は鉄の含有量が高いためにお奨めできません。


瀉血と同様の働きをするのが、漢方でいう活血薬になるかなと考えます。実際に活血薬により肝炎の進行が抑えられたとの報告がありますから、インターフェロンや抗ウィルス薬が効かないケースや使えないケースでは考慮しても良いのではと考えます。なにしろ10〜15年で肝臓ガンになる病気ですからね。

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