ニキビでないにきび

昨日は風邪で1日中漢方薬を飲んでいました。症状から選んだ漢方薬を5〜6回飲んだでしょうか、今日はほぼ回復しています。まだ完全ではないために仕上げに別の漢方薬を飲んでますが、これで終わりに出来るでしょう。


さて私らは医師でないため診断こそしませんが、相談を受けたときにどんな病気かと考えます。そして症状や経過から病気を絞り、適切な薬を選択し奨めます。その病気が違えば薬の効果が現れないばかりか、時には副作用で苦しめることになるからです。


ある皮膚科医の調査では、市販の軟膏類を使って皮膚炎を起こした人は約2/3の人が薬剤師に相談せずに薬を選択していたそうです。自称水虫と言ってくる人の1/3位は水虫以外の皮膚病だそうですから、面倒でも一言相談してくれたほうが余計な出費や時間のロスまた肉体的苦痛を避けることが出来るのではないかと考えます。そのためにも私らは研鑽しなくてはいけないのですが・・・。


にきびに似てにきびでない皮膚病があることはわかってても、なかなか病名を上げることは恥ずかしながら出来ません。皮膚科の基礎を学んで何とか教科書から探せるようにはなったと思いますが、まだまだ勉強せねばなりません。


ある皮膚科医のホームページに出ていたので転載します。
perioral dermatitis、本態性のrosacea、油症、ヨード疹、クロールアクネ、ヒダントインやイソニアジドによるacneiform eruption、Nevus comedonicus、ざ瘡型の亜急性単純性痒疹、atrophoderma vermiculata、vascular spider、hydroa vacciniforme、eruptive vellus hair cystなど。このほか全身疾患の症状として、クッシング症候群、クローン病ベーチェット病、副腎性器症候群を考えなくてはならない。


ニキビに比べれば、圧倒的に頻度は少ないのでしょうが、ニキビはドラッグストアで相談なしに薬を買われることが多いでしょう。そうすれば治りにくいニキビの中には上記の病気が紛れている可能性があるのではないでしょうか。


漢方相談を行っていると、治りにくい病気の相談が中心になります。たかがニキビと言えど、本人にすればとても悩ましい病気ですから、いろいろ情報を集め薬を試しているのです。どのような薬を使ったか、どのくらいの期間使っていたか、を確認することが重要かなと考えています。


薬を使っていた期間は皮膚科にかかっていた時には特に重要で、1ヶ月以内の短期間では診断が確定していない可能性もあるからですね。ニキビ以外の病気の可能性を、このように考えているのです。


さて、当薬局に相談に来る時は一般的な治療は大抵済んでいるので当然違う角度から皮膚病を考える必要があります。何が悪化要因になっているのか、一緒に考えないと治りにくいといえます。食事や栄養・ストレス・生活リズム・内科的疾患の有無・便秘の有無・生理の状態・・・などなど。これらを簡単なメモで良いから記録してもらうことが大切なのですが、なかなか行動に移してくれる方は少ないのが現状ですね。


悪化要因を探るのは漢方薬を選択するときにも必要なのですが、漢方薬をやめても再発させないために必要なのです。このことを理解してくれる人は治るのが速いように思います。


また、食事や栄養に問題があれば漢方薬+栄養療法(食事指導)、生活リズムの乱れは漢方薬+行動療法、ストレスが関係すれば漢方薬心理療法、となります。治りにくいニキビは漢方薬だけでは難しい印象を持っているのですが、私の技術も未熟なためかもしれません。


ただ今は、漢方薬の限界も見据え、別の角度から再発防止を考える中で、負担の少ない補助的な方法も行えるようになって来ました。ニキビでないにきび、治りにくいニキビ、どちらもきちんと対応しようと考えています。

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