子どもの悲しき決断

数年前から、漢方の古典を読む勉強会を一人の医師と始めたのですが、なかなか参加者が増えません。忙しいのはわかりますが、本格的に基礎から勉強しようという意思を持った漢方医が長岡で育つまでにはしばらく時間がかかりそうです。漢方相談をしている私にも漢方に詳しい医師を紹介してくれと頼まれますが、残念ながら私には紹介できる医師が長岡には今いないのですね。


先週土曜日は閉局後に柏崎で薬剤師仲間と勉強会を行いました。今回は私が講師役になり、私の得意分野の一つカウンセリング・心理療法を話しました。心療内科の3本柱といわれる、自律訓練法交流分析認知行動療法に加え対人関係療法を取り上げ、時間の関係で交流分析を中心に話を進めました。


交流分析は多数の要素で成り立っていますが、ヒトの人格を大きく3つの自我(親・成人・子ども)に分け、他人とのコミュニケーションを、3つの自我との相互関係で分析する手法です。人格は周りの環境によって大きく変化する(形成される)ことも、交流分析の勉強でシッカリと理解できました。


子どもの頃は、保護者(両親など)に養ってもらわなければ生活できません。ですから、子どもは自分が生きていくためにはどのように考え行動すれば良いかを子どもなりに判断します。この判断や判断パターンを大人になっても引きずる方がいます。


もちろん妥当な判断なら問題はないのですが、心のトラブルを抱えた方は、子どもの頃の幼稚な(この言葉を敢えて使います)考えに振り回されてしまうことがあり、適切なコミュニケーションが取れないこともあるとされます。


プロ野球の小宮山選手は、5歳の頃20数針縫う大怪我をしました。治療に際し「痛い痛い!」と泣き叫んでいたら医師に怒られたそうです。この時に5歳の小宮山少年は痛みをガマンすることが自分の身を守る方法だと判断しています。この判断が大人の今も続いており、どの選手よりも痛みに対して強いのだそうです。


このエピソードは小宮山選手にとってマイナスには作用しなかったようですが、この例のように誰でも小さい頃の決断を大人になってもしている可能性があります。交流分析では《今・ここ》で判断することが重要だと言っています。


なぜか、同じパターンを繰り返してしまうときに無意識に子どもの頃の決断をしているのではないでしょうか。あるいは、卑屈な考えを持っている人は、子どもの頃に卑屈な考えを持つことが身を守る手段だったのではないでしょうか。でも、大人になった今、その幼稚な考えに縛られる必要はないのです。


このことに気づけば、性格だから変えられないと考える必要はありません。誰でも、気に入らない性格は努力すれば変えられます。その方法を知らなかっただけでしかないのです。

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