癌と心のケア

俳優の今井雅之さんが末期の大腸がんだと告白されました。まだまだ若い年齢ですから、癌と共存しながらでも今後の俳優活動ができるよう願っています。抗がん剤の治療も辛いでしょうが、彼の体力なら治療に耐えられるのではないでしょうか。
ただ、癌となると色々な情報が目に留まるし、人から入って来るしで、本人と家族は振り回されることも珍しくありません。残念ながらガン治療の絶対的な決め手は無いと言える状況なので、参考にしながらも最終的には専門家に相談することが一番のように思います。

さて、当薬局にも何人かの癌サバイバー(癌を克服した人だけでなく、現在闘病中の人も含みます)が来ています。どなたにも共通していることは家族の協力が上手く得られていることでしょうか。周りのサポートがあると癌と戦いやすくなるのでしょう。もちろん一人だからダメというわけではありません。辛い気持ち・不安・悔しさ・情けなさ・怒り・・・、その都度生じるいろいろな気持ちを受け止めてくれる環境が大切なのだと思っています。

癌の心理療法として有名なものにサイモントン療法があります。《認知行動療法+イメージ療法+リラクゼーション+α》と表現すれば理解しやすいと思いますが、直接的に抗がん作用があったり、免疫調整作用があるわけではありません。しかし、事実として末期がんでも希望が持てるような結果が得られています。家族のリラックスも非常に重要だとサイモントン療法の本の中でも触れられているように、サバイバーを含む環境の影響は意外に大きいのではないかと考えます。

漢方薬を飲むにしても、薬が美味しく飲めるなら本来の効果+αが期待できるでしょう。逆に、不味くて我慢して飲むようなら、−αなのかもしれません。身体が欲するものの効果は侮れないものがあると思うのです。マイナスの感情にしろ自然に出せるような環境を作ることも、癌の勢いにブレーキをかけることにつながります。

「このまま死ぬのかなぁ・・・」と言われたら「そんなことはない!」と強く否定したくなりますよね。でも多くの場合、本人の心には響かないのではないでしょうか。どんな気持ちからその言葉が出てきたのか?を察しながら、時には無言で寄り添うだけでも十分かもしれないのです。大正解と言えるようなものはありませんが、寄り添い、身体に触れてあげることにも、パワーはあります。

コミュニケーションの講座を来月から始めようと考えています。薬剤師なのにコミュニケーション?と思われるかもしれませんね。でも、心療内科の勉強を皮切りに心理の世界に入ってみると、コミュニケーションの持つパワーを無視するわけにはいきません。病気を悪化させることも、逆に快方に向かわせることも可能なわけですから、治療家としてはこのコミュニケーションのパワーを活かしたいと考えます。

このパワーも上手く活用出来たら、ガンの状態に変化が起きるかもしれないですよね。そのための心のケアであり、コミュニケーションの講座でありたいと思います。薬だけでなく、眠れる底力を引き出すことができたら奇跡も起こるかもしれないと思います。


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