ストレスと尿酸値と脱毛の関係

県内のサッカーチーム・アルビレックス新潟がなんとかJ1残留を決めました。特別な思い入れはないものの県内チームなので、一般的な関心はあります。昨日の広島戦は賛否両論あるものの、シーズン途中から就任した片淵監督には相当なプレッシャーがかかっていたことと推測されます。ひょっとしたら、胃潰瘍でも出来ているかもしれません。プレッシャーも良い意味での発奮材料になることもあり、全てを悪く見ることは控えないといけませんが、心身に影響を及ぼすストレスになることが多いのも事実です。ストレスをなくすことはできませんから、うまく付き合いたいものです。

女性が顔のシミやシワを気にするように男性は毛髪の状態を気にします。特に加齢とともに進行する男性型脱毛症に対して、皆さん頭が下がるほどの涙ぐましい努力をされてます。この男性型脱毛症には男性ホルモンが大きく関係するとされ、男性であればある意味しかたがないのかもしれません。ただ、マンダムの研究によって、血清尿酸値が高いほど後頭部では毛穴あたりの毛髪本数が少なく、毛髪も細く、頭皮が硬い傾向が確認されました。

尿酸はビールやレバーや魚卵類を多く摂取すると増加し、増え過ぎると痛風発作を起こす原因物質です。尿酸の影響は痛風発作だけでなく、動脈硬化を進行させることで全身の臓器に傷害をおこすことなのです。またこの尿酸は食事だけでなくストレスでも増加することがわかっており、ストレスを溜めこみやすい人は脱毛が進行しやすいという、今まで経験的に語られてきたことが確かめられたわけです。
でも、まだ脱毛の原因は不明なことも多く、いくつかの要素が関係し個人個人でその関与割合が異なるのが治療を難しくしている理由です。

しかし、男性ホルモンも血清尿酸も最終的には血流低下につながり、脱毛を促していることを考えるならば、広く生活習慣病対策をすることが脱毛症の進行防止や回復に重要なことが解るでしょう。東洋医学では《腎》との関係で論じられることが多いのも、老化の進行としての血流悪化や新陳代謝低下と結び付ければ頷けるところです。

さて、ストレス・脱毛症と言えば、もう一つ円形脱毛症も思い浮かびます。ただ近年、円形脱毛症の原因は自己免疫疾患として考えられてきており、ストレス説は少し影を潜めてきています。でも自己免疫疾患を心身症として考えるなら原因としてのストレスは無視できないと私は考えます。自己免疫疾患の相談を受ける時に私が思い浮かべるのは、自律神経系ー免疫系ー内分泌系(ホルモン系)の相互関係システムです。自己免疫疾患は言わば免疫の暴走状態ですから、ふかし過ぎたアクセルを戻しスピードを緩める治療が必要なので、ステロイドが有効なのです。

私は心身医療の立場から、自律神経系に働きかける自律訓練法などの心理療法に可能性を感じています。自律訓練法だけでは効果は限定的と思いますので、他の方法を適宜組み合わせることが必要でしょう。ただ自律神経系を安定させることで免疫系の暴走にブレーキがかかりやすくなると考えています。地方の一薬剤師の仮説でしかありませんが、ブレーキとアクセルを両方踏んだままでは身体は壊れてしまうのではないでしょうか。だからアクセルを戻す方法として自律神経系の調節は必要だと考えています。そして、これはつまるところストレス対策にもなるわけですから一石二鳥ではないかと思うのですが、皆さんいかがでしょう?

さらにもう一つ、トリコチロマニアと呼ばれる病気(症状?)があります。これはストレスが大きく関係し、ストレスのはけ口として自身の毛髪を抜く行為で、抜毛症とも呼ばれます。積極的なカウンセリング・心理療法が必要ですけれど、未成年で治りにくい円形脱毛症の場合はトリコチロマニアを疑ってみる必要があるでしょう。見当違いの治療では、かえって病状をこじらせてしまうばかりですから。ルーペなどで拡大して見ると、いくつかの特徴を発見しやすくなるとのことです。

円形脱毛症やトリコチロマニアだけでなく加齢に伴う男性型脱毛症であっても、適切な治療で大部分は回復が見込めますが、効果の確認は毛髪のサイクルを考えれば3〜6ヶ月の期間は最低でも必要と思いますので、少し長〜い目で経過を見守りましょう。



漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局   廣橋義和(薬剤師・心理カウンセラー・新潟薬科大学臨床教授)
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