太りたい人、痩せたい人

 とかく、この世は皮肉なものかもしれません。
何を食べても太れない人がいます。一方、水を飲んでも太ってしまう
という人もいます。近年の研究では、痩せている人の腸内細菌を
太っている人に移植したら痩せてきたというものもあります。

 

 ですから、飲食物の消化・吸収の過程にも腸内細菌は、関わって
いると考えられています。でも恐らく、腸内細菌だけで結論が出る
ほど単純な問題ではないでしょう。

 

 東洋医学では、消化・吸収の機能は五臓の〈脾〉が担っていると
考えます。現代医学的な知見も入れると腸内細菌の複雑な作用も
〈脾〉の働きに含まれるかもしれません。

 

 私が若い頃、痩せて病弱な人を「ひよわ」と表現していました。
漢字で書くと「脾弱」です。文字通り、消化・吸収を担う〈脾〉の
働きが弱っているから太れないと考えられていました。
ただ、一般的には「脾弱」よりも「脾虚」という用語を用います。

 

 ですから、太りたいという人、痩せて困るという人、高齢者の
フレイル対策、病中・病後の体力回復、等々では〈脾〉の働きを
中心にみていくことになります。〈脾〉が弱った状態では、
どんなに優れた栄養を入れても、理論通りには太れないのです。

 

 逆に、水を飲んでも太ってしまう人は、〈脾〉の働きが
強過ぎるのかもしれません。専門的には「脾実」と呼んだり
します。この場合は、〈脾〉の強過ぎるエネルギーを鎮める
ような漢方薬を選択します。

 

 最近、新しい肥満症治療薬が使えるようになりました。
痩せたい人なら誰でも使えるわけではなく、かなり基準が高い
ようです。仮にハードルが下がったとしても、安易に薬で減量
するのは反対です。基本通り、生活習慣の改善に取り組みつつ、
プラスαとして薬(漢方薬も含みます)も選択肢に加えて頂け
たらと考えます。

 

 ただ一方で、太りたい人は先ず体質的な問題を改善する
ことが重要です。そして改善の程度に応じて、無理のない
栄養価の食事を摂取することになります。遠回りにみえても
一番確実な方法と考えます。焦らずに一歩一歩進みましょう。

 

 太りたい人でも、瘦せたい人でも、医療人としての私が
提供するのは、健康度の増加を伴った体重の変化です。
単に数字のアップダウンを目指すのは、医療の目的からは
離れていると考えます。

 

 

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 薬剤師・公認心理師(心理カウンセラー)  廣橋 義和

 

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