住民の近くにいてこそ薬剤師

昨日参加した中越呼吸器疾患検討会は「膠原病に伴う肺病変」と題し新潟大学第二内科講師の高田俊範先生の講演でした。膠原病は、強皮症・エリテマトーデス・リウマチなど多彩な病気がありますが、体内のコラーゲン繊維などの膠原繊維が侵される病気です。


私も漢方相談を行うので、膠原病の相談を受けたことはありますが、昨日の講演で示されたような重症の膠原病は経験ありません。イメージもわかないので内容も難しかったなというのが正直な感想でした。


さて新潟県では厚生連というJA(農協)が母体の病院が各地にあります。ほとんどの病院が医薬分業という形で処方箋を発行していますが、厚生連本部は処方箋の発行を中止して病院内で薬がもらえるように方針を変更しました。


当然薬剤師会は反発していますが、私は処方箋で仕事をしていないので動向を冷静に見つめています。今のところ薬剤師会側が不利な状況だと思っていますが、最終的には利用者である住民がどのように判断するかでしょう。


欧米では制度として医薬分業が確立して以来、着々と住民に浸透してきた感があります。一方日本ではまだ30年程度、過渡期といえますが薬局・薬剤師の目はどこを向いているのでしょうか。


病院・医院の近所を地上げ。大病院の前は薬局通り。挙句の果ては処方箋を持っている人に対する客引き行為。おかしなプライドは捨てても構いませんが、恥ずべき行為と思います。地域住民はどのように感じているでしょうね。


当時の厚生省は、薬の使用割合を減らせることを期待して国策として医薬分業を推進しましたが、実態として薬の使用量は減少せず医療費は上がる一方で、とうとう強制的にジェネリック医薬品を使うような制度に変更しました。薬剤師では医療費抑制に貢献できないと判断したと私は受け止めています。


薬剤師は、病医院の方でなく利用者である患者さんの方向を向くべきなのです。「数ある薬局の中でここを選んだのは、この薬剤師さんから薬を受け取りたいんだ」と言ってもらえるようにならないと、距離的・金銭的に負担をかける医薬分業は継続できないでしょう。


今回の厚生連騒動を聞いていると最終的に住民からどのような声が挙がるかがポイントと考えます。住民にノーと言われたら今までの行動を反省するべきですね。私もノーと言われないよう薬局にいるだけでなく色々な活動を企画・実行してゆきたいと思っています。


最後に一言、あなた明日はバレンタインデーですよ。私は薬局にいます。

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