家庭内での健康被害

私のブログで時々ネギを食べましょうと書いています。そのネギがインフルエンザに有効らしいとの結果が富山大学の研究で明らかになりました。ネズミでのデータですがネギのエキスを与えられたネズミではウィルスが1/3に減少し抗体が3倍になったそうです。恐らく人間でも同様の効果が認められると思いますから、この寒い時期は積極的にネギを摂りましょう。


今月の薬剤師会雑誌に平成20年度の『家庭用品等による健康被害病院モニター報告』が掲載されていました。モニター病院(皮膚科と小児科)ですから全体の件数ではないものの、頻度などは参考になりますので事故防止に努めていただきたいと考えます。


報告件数で多いのが吸入事故に分類されるものです。報告の6割が吸入事故になります。更に9歳以下の子どもの吸入事故は全体の2割となっており、子供のいる部屋では殺虫剤のスプレーなどを安易に使わないほうが良いと考えられます。


また塩素系の洗剤(漂白剤など)と酸性の洗剤を混ぜて出る塩素ガスの事故がまだ発生しているとのこと。”混ぜるな危険”の表示により件数は減っているものの、まだまだ注意が必要なようです。


また子どもの誤飲事故は報告全体の3割であり、タバコ(子どもの事故の約3割)と医薬品類(同約2割)を合わせると事故の半分を占めています。タバコの場合で気をつけたいのが空き缶などを灰皿代わりにして中に水が入っている場合です。これを私は”ニコチンジュース”と呼んでいますが、急性ニコチン中毒により死ぬこともありますから絶対止めるように!ちなみにタバコを直接口に入れても味や感触から危険な量を体内に入れることはほとんどないそうです。


また医薬品の場合は家族の方が飲んでいる処方薬には危険なものも多く子どもの手の届く範囲に置くことは殺人行為であることを肝に銘じましょう。子どもの手の届く範囲に危険な物を置かないことが事故防止の基本です。なお窒息事故の代表こんにゃくゼリーは食品類に分類されているはずですが、小児の事故の約4%でこの12倍以上がタバコと医薬品類の事故頻度です。


皮膚科からの報告は、かぶれなど接触皮膚炎になります。件数として多いのがネックレスなどの装飾品による被害で皮膚障害の3割を占めています。時計やメガネなども含めれば4〜5割が身に着けるものによる皮膚障害となります。ニッケルやコバルトなどの金属による金属アレルギーが大半だと思われます。身近な金属製品には必ずといってよいほど使用されている金属ですから、装飾品でかぶれたら他の装飾品にもかぶれる可能性があります。


私の相談では、装飾品などのかぶれは多くありませんが、ゴム手袋やビニール手袋などのかぶれ・洗剤やパーマ液によるかぶれなどは多く経験します。職業病と言えるケースも多く、一時的に薬剤で治すことは難しくありませんが、根本的な解決にならない難しさがあります。


”町の科学者”として身近な製品に潜む危険性を広報することも薬剤師の大切な役目だと考えます。また何かの機会に触れたいと思います。

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