薬用ニンジンと自律神経失調症

世界的にトヨタ自動車安全神話がほころびかけているのでしょうか。アクセルやブレーキの不具合は命に関わる問題だけにきちんとした対応が望まれます。基準の範囲内なら「まあ、いいか」で済ますケースと、基準範囲内でも「恥ずかしい製品は出せない」という職人魂では、完成した場合に差が出るのでしょうね。ましてや医薬品なら生命に直結しますから私らも肝に銘じたいものです。


基本的に単一の成分で出来上がっている合成新薬に比べ、生薬は多成分です。ましてや天然物であるために、産地や産年など天候や土質により品質はピンからキリまであります。上質の生薬であれば価格も高く(価格が高いから上質とは限らないのですが)効き目もシッカリと期待できます。


私らが漢方薬の原料である生薬の品質を吟味するのは専門家として当然なのです。ちなみにデンシチニンジンではサポニン含量は3〜8%と幅がありますから、効き目においても2倍以上の差が認められるのです。


薬用ニンジンは、医薬品として流通するのは4〜6年の栽培品で3年以下のものは薬効成分も少なく通常健康食品などに使用されます。また4年物と6年物では単純に栽培年数で1.5倍のコストが増え、その分サポニン含有量も増加します。6年物が最高級と言われる所以です。


この薬用ニンジンは研究される方が多くいろいろな作用が確認されています。免疫力を高める・血栓症予防・血流改善・疲労回復・鎮静・精神安定・精子数増加・・・などです。これらの効果にはサポニンが関係していることも確認されています。


近畿大東洋医学研究所による研究で、この薬用ニンジンを自律神経失調症の女性に使ったデータを報告しています。それによると
 ○疲れにくくなった 84%
 ○食欲が出た 80%
 ○寝つきがよくなった 69%
 ○顔色がよくなった 58%
 ○腰痛が軽くなった 67%
 ○肩こりが楽になった 72%
 ○頭痛・頭重が少なくなった 57%
 ○虚弱体質がよくなった 70%
 ○お腹の張りがよくなった 60%
 ○めまいが起こりにくくなった 58%
 
とかなり有効率の高い成績ですね。ただこれは医薬品の薬用ニンジンのデータですから、間引いたニンジンを使った健康食品ではこのような効果は期待できないかもしれません。心や体を病む人に「この程度の薬用ニンジンでもいいか」ではなく「専門家として恥ずかしくない品質の薬用ニンジンを使う」今まで同様、今回のトヨタの問題から再度得た教訓です。

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