ウィルスによるニセにきび

今週NHKのためしてガッテンは、ニセにきび特集でした。治りにくいにきびの特集だったわけです。確かに、たかがニキビされどニキビ、との感はあります。しかし、ニキビであれば基本の手入れは洗顔に尽きるわけですから、確実にニキビとニキビもどきを区別することが大切ですね。

番組では、イボウィルス(HPV)によるもの、マラセチアによるもの、黄色ブドウ球菌によるもの、の3つを紹介していました。薬局での経験では、HPVによるものは経験がありません。だから番組を見た時に「へぇ〜!」と思ったものです。今後もそのようなケースに遭遇するかはわかりませんが、治療として液体窒素による凍結療法を紹介しています。私は漢方屋ですから、こんなケースが来たらアレかな?コレかな?と考えながら見ていました。新薬事法により薬方名を紹介することは控えますが、いくつか考えられますので、液体窒素が上手くいかない時は相談いただければと思います。

次にカビの仲間によるマラセチア皮膚炎を紹介。番組でも言った通り、比較的胸や背中にできやすいのが特徴ですね。これは流石に知っていましたし、私は漢方薬で治した経験があります。もちろんカビに使う抗真菌剤でもいいわけです。通常のニキビ治療が上手くいかない時はマラセチアを疑う必要がありますね。番組に登場したクライエントさんは、あれこれ試したらしく(中には皮膚科医による診断もあった)、どんどんこじれてゆきました。

医療費抑制のため、セルフメディケーションが推進されていますが、正しい見極めと適切な薬剤選択がとても重要ですから、専門家としての私たち薬剤師を上手に活用してほしいものです。時には害にさえ成りうる間違った治療や手当を、すべて自己責任で行うことがセルフメディケーションではないはず!これでは逆に医療費を押し上げてしまいますから。

そして最後に、黄色ブドウ球菌による面疔を紹介。痛みや腫れが他の疾患の非ではないことで容易に想像がつきます。軽度なら抗生物質の軟膏を、重症例では内服が必要になります。ただ、一般的に使われる抗生物質軟膏に耐性を持った黄色ブドウ球菌が報告されていすので3〜4日使用して改善が無ければ作戦変更の必要があります。黄色ブドウ球菌の場合は、他の疾患よりも進行が早いと思いますので、相談も早めの方がいいでしょう。

でも、現場では圧倒的に本物のニキビが多いのも事実です。基本はスキンケアですから、肌に合った洗顔剤を使い小まめに手入れしましょう。さらに、食事や睡眠やストレス、他に便秘や女性なら生理のリズムなどとの関連を観察することが重要なポイントです。当薬局では、ニキビ菌も殺せる殺菌剤入りローションがありますので、これを日ごろの手入れに活用いただきたいと思います。
悪化要因は人さまざまですから、できたらニキビ日記をつけると自分の悪化パターンが把握でき、適切な対策が取りやすくなるでしょう。少し面倒ですが、できたらチャレンジしてみてください。


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