《心療漢方》なるスタイル

昨日は、帯状疱疹に関する講演会に参加してきました。帰宅後に新しく始まったドラマ「Dr倫太郎」(読売系?)は、堺雅人演じる日野倫太郎は精神療法(心理療法・カウンセリング)を中心に行うとの設定のようです。実際には、忙しい臨床現場で倫太郎のように出来る医師は少ないと思いますが、神経伝達物質の減少などに対する薬物治療だけでは、真の治癒・回復には程遠いのではとの印象を私は持っています。
また、たまたま見た今朝のTVでは「家族と言う病」という本が売れていると紹介されていました。元アナウンサーで作家の著者のコメントなども紹介されてましたが、家族のマイナス面のみを強調しているようで違和感を感じました。コインの表裏のようにマイナスもプラスも両方あるのが普通ですからプラス面にも目を向ければ人生も明るく変わるのではないかと思いました。家族療法的な視点も取り入れているセラピストの端くれとして、番組の構成に不快感を感じています。

さて、私が日本心療内科学会に入会して20年近くになります。内科系の学会ですから身体の病気に対して薬物を普通に使用しています。しかし、ストレス社会ですから薬物だけでは快方に向かわないケースも少なくありません。そこで心療内科という分野が誕生し、ストレスの関与に応じて様々な心理療法・カウンセリングテクニックを交えて診療にあたるわけです。学会に入会し、学術大会に参加し、いろいろなスキルを身に付けることができたと思っています。まだまだ、未熟な部分も多々あるわけですが、今までは対応不可能なケースや不十分な対応にならざるを得なかったケースでも、ある程度の満足度を提供できるようになったと思っています。

私は薬剤師ですから、使用できる薬には制限があります。そこで活躍するのが漢方薬となりますが、元々漢方では体と心を一体として考えてきたこともあり心療内科と重なる部分も多くありました。ただ最近は漢方薬であっても、できるだけ少ない期間の使用が望ましいとの思いが強くなってきています。資本経済の中では薬局であっても、多くの薬品を販売できる人が優れた治療者として尊敬されることが多くありますし、メーカーの資料には大量の薬品で改善したケースが紹介されます。これも違和感を感じる部分なのですが・・・。

優れた心療内科医は、心理的な影響を見極め使用する薬物を最少にしつつも、心理療法を組み合わせて効果を最大限に引き出しています。昨年参加したワークショップで講師の精神科医が「患者は治る力を持っていて、自然に治ってゆく。」と言った言葉が強く印象に残っているのですが、本当にその通りだと実感しています。最近の私の相談スタイルは、場合によっては薬を使わないケースもあり、漢方薬であっても「いつやめるか?」「いつから減らし、どのように減量してゆくか?」を常に考えています。

身体の生物学的な要因に対しては薬を必要とすることが圧倒的に多いのですが、しかし食事や栄養の摂り方、生活環境や生活リズム、などの薬以外の要因も確認しないと上手くいかないケースも増加しているようです。身体も基本的には治ろうとしているとの視点で、薬は援助でしかなく、自然治癒を妨げるものは何かな?と考えています。ある一人暮らしの学生さんは、風邪が長引いていました。薬もきちんと飲んでいたし、薬の選択も妥当だったのですが・・・。原因は、食事が不十分なことによる一時的な栄養失調だったようです。このような経験は珍しいケースではなくなるのかもしれません。

今現在、幅広い視点で対応するようにしており、その結果として《心療漢方相談》なるスタイルを実践している状況です。現代医学の素晴らしさは認めるもののエビデンス重視の流れから、枠にはまらないケースも増えているのではないでしょうか。枠にはまらないケースでは、いろいろな要素が関連してますので、その対処法の一つとして私の心療漢方スタイルも微力ながら悩める人の力になれるかなと思っています。



漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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