皮膚の乾燥による痒み

穏やかな12月で、あまり師走って感じがしませんね。年賀状の準備はいつものことながら手付かずですが、タイヤ交換さえも先延ばしにしています。この調子で正月を迎えられたら最高でしょうね。ただ、この時期の感染症としてインフルエンザや風邪ウィルスやノロウィルスなどには注意が必要ですし、使い捨てカイロなどによる低温やけども気をつけたいものです。気を抜かずにポイントだけはしっかりと押さえて、健康を維持しましょう。

穏やかとは言っても、暖房は欠かすことができません。そうすると増えてくるのが暖房機器やエアコンによる皮膚の乾燥です。本来なら、皮膚の水分はバリア層により一定に保たれています。けれども秋〜冬は気温の低下に伴ってバリア層を形成する汗や皮脂の分泌が悪くなり、結果的に皮膚が乾燥しやすい季節となります。まぁ、適切に保湿していただければ問題ないのですが、このスキンケアを怠ると痒みや湿疹ができたりするのです。皮脂欠乏性湿疹などと専門的には呼びますが、《皮脂欠乏=バリア層が不十分》が原因の湿疹ってことですから、基本的には通常の湿疹と同様の治療でスムーズに回復します。

湿疹の治療には、一般的にはステロイド剤が使用されます。アトピー性皮膚炎のような慢性の経過を辿るような皮膚病ではありませんから、7〜10日も使用すれば充分かと思います。ただ、どんな病気にも言えることですが、原因が続く限り一旦治っても再発したり、完全に治らないで慢性化する可能性もあります。この場合の原因は皮膚の乾燥ですから、日頃のスキンケアが非常に重要になるのです。でも、楽になれば面倒なスキンケアなど疎かになるのが人の常ですね。

それと、保湿の方法が適切かどうか、私ら専門家は確認する必要があります。入浴時にナイロンタオルでゴシゴシと身体を洗うと気持ち良いものですが、秋〜冬のこの時期は皮膚にとっては残酷な行為となります。もちろん、その後適切に保湿してもらえればいいのかもしれませんが、ナイロンタオルによる刺激で色素沈着(皮膚が黒ずんでしまう状態)も起きてますから、少し考えてから行動に移す方がいいようです。さらに、ナイロンタオルを使う時は石鹸も普通に使いますから、皮膚のバリア層は確実に破壊されてしまうのです。

若い人は破壊されたバリア層を修復する能力も充分なので大きな問題にはならないものの、この説明が通用するのは20代前半までと考えた方がいいでしょう。体質にもよりますが「お肌の曲がり角」を過ぎたらバリア層を破壊しないように、破壊したらスキンケアで修復するように努めましょう。

この時季の皮膚の乾燥対策をきちんと行ってこそ、湿疹の治療効果が上がるのですから、皮膚のためにもスキンケアをしっかりと行いたいものです。また、皮膚の性質として、湿疹・皮膚炎の状態が長く続くと皮膚は厚く変化し色素沈着を起こしてきます。ですから、早めに湿疹・皮膚炎の状態を改善するためにステロイド外用剤が使用されます。アトピー性皮膚炎のような慢性の皮膚炎ではありませんからステロイド外用剤による副作用の可能性は限りなくゼロに近いものです。
原因の対処を適切に行えば、早くきれいに治る、と言い切れる皮膚病の一つです。



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