病は1日にして成らず、人の可能性も無限に有り

新しい年が始まりました。一つの節目ですが、病気や事故・ケガにクリスマスも新年も関係ありません。
毎年2日に開催される恒例の高校柔道部のOB回、3歳年下でOB会幹事を長年務めてくれているT君がいます。実は彼が昨年脳卒中で現在闘病中です。一命は取り留めたものの半身に麻痺があるとのことでリハビリに取り組んでいる日々だそうです。事故のような特殊なケース以外はどんな病気も突然発症したわけでなく、病を起こす引き金と積み重ねてきた準備因子があるのです。今回のT君の発症は改めて厳しい現実を示してくれています。

その一方で、脳卒中でダメになった脳細胞は基本的に再生しませんが、脳が秘めた可能性は目をみはるものがあるようです。いろんな治療によりダメになった細胞を迂回して新たな神経ネットワークが構築され麻痺が回復するケースも報告されています。漢方薬を使うケースもあり東洋医学会等でも紹介されているのですが、T君にはリハビリの本を差し入れようと思います。リハビリの川平法を紹介した内容で、友人のK君の話ではかなり意気消沈している様子なので、この本で少しでも希望が芽生えればと考えています。その意味では、人の持つ可能性も無限に有ると私は信じています。頑張れ、T君!

さて、2〜3年くらい前から「病気が治るとは?」「健康とは?」と考えることが多くなりました。そして薬局だから薬の相談に来るわけですが、薬を売ることが果たしてベストなのか考え悩むことが増えています。薬を異物として考えたら、できるだけ少ない量を効率よく使用することが大切です。そうすると薬が売れなくなり薬局として経営が成り立たなくなると言う矛盾にぶつかります。でも、やはり必要性が低い薬なら中止していく方が、その人にも保険制度維持にも有用なのです。中国からの旅行者による爆買いはドラッグストアでもあるようですし、薄利多売のスタイルは薬業界には馴染まないと常々考えてきました。

薬局は、薬を売る場所から健康を売る場所に、健康つくりを提案する場所に変わる必要があると思います。もちろん、病気や症状で苦しんでいるなら、まずその苦痛を取り除くのが先になりますが、高度化する医療と高齢者の増加で崩壊しつつある医療保険制度も守らなくてはなりません。また外科医・産婦人科医・小児科医などの不足も懸念される今、医師の疲弊を防ぐためにも予防医療に力を入れる必要があります。ただ、予防も効率的・効果的に行わないと継続できないでしょうから、知恵が必要です。

私が個人的な経験から今現在出した結論は、健康つくりの基本はサプリメントや健康食品ではなく、もちろん薬でもなく、食事と日頃の身体活動と日常の生活リズムとコミュニケーションだということです。そこがしっかりしていて初めて漢方薬や各種治療法が活きてくると感じています。現在苦しんでいる病気や症状に即効性はありませんが、5年10年という単位で将来を考えた時、必ずや差が現れてくるのです。この差は、薬1〜2種類でしょう。たかが1〜2種類かもしれませんが、薬は使用量が増えれば副作用が増加するものですし、医療費もバカならない金額になることでしょうね。

こんなことを考えているので益々薬が売れなくなってきています。ビジネスとして継続させるには新たな収入源が必要となっていますので、いろいろと頭を悩ませています。
ここ数年、医療界では「量から質への転換」が図られてきているようです。骨粗鬆症なら骨量も大事だけれど骨質も大事だと。予防領域で使用するサプリメントや健康食品や機能性食品類、安価な製品から高額な製品まで多種雑多な製品が溢れていますが、単純に飲めばいいというものではありません。まず、安全性は大丈夫か?(危険な製品があるのです)きちんと体に吸収されるか?(ウンチになるだけの製品もあるので)専門家の評価はどうか?(一部の権威者の意見だけでは片手落ち)継続的な評価が得られそうか?(一時的なブームで消えた製品は多数あります)継続できるか?(あまりに高額では続かないでしょう)、こんなことを視点に入れて効率的に選択したら良いでしょう。

私は、基本的にこの視点で吟味し勧めています。でももっと大事な基礎が、食事や日常活動や生活リズムやコミュニケーションなのです。最近は本末転倒になっているように感じますが、人の持つ可能性を信じて相談に中りたいと思います。



漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
http://hirohashi-pharma.sakura.ne.jp/ (アドレスを変更しました)

過去のブログの主なものはホームページにリンクを貼ってありますから、見たい記事がありましたら《ひろはし薬局のホームページ→過去のブロ
グ》から探してみてください。(現在の更新はしてませんが・・・)
  あるいは⇒http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/sub6.htm

メールは《Re:タイトル》でお願いします。メールマガジンの申込も随時受付中
     ⇒8hirohashi@gmail.com

薬事法の関係で、具体的な薬品名は表示を控えています。お知りになりたい場合は、直接ご連絡ください。

講演の依頼に関しては、ホームページに掲載してある講演内容を参考にして、お申込下さい

訪問による出張相談にも応じています。
引きこもり・うつ病などのメンタル相談、外見の気になる皮膚病相談、病中・病後など体力低下による外出困難な場合、などに