熱中症、サインで気づく

 日本全国がフライパンの上で熱せられているような暑さです。ただでさえ 暑い

のに、マスク着用で体温の発散が抑えられ、熱中症のリスクが上昇して います。

 

 医療現場では、熱中症の発熱なのか、新型コロナウィルスなど感染症の 発熱

なのか、慎重な対応が求められます。現場の混乱を防ぐためにも、 私たちは

エアコン使用や水分補給で予防に努めたいものです。

 

 でも、高齢になるほど身体の予備能力は低下するので、あっという間に

脱水状態に陥ることがあります。ちょうど年数を経たダムに土砂が溜まり

貯水量が少なくなるようなものです。

 

 そこで、どの年代でも簡単に脱水のサインをチェックできる方法があり ますので、

利用していただければと思います。

 

 私が使用するサインは、爪を見るだけです。 ネイルやマニキュアをしていると

難しいでしょうが、その場合は爪の根本 (爪母)で代用しましょう。

 

 まず、爪の色を確認してみてください。薄いピンク色をしているはずです。

その爪を反対側の指でそっと押してみてください。ピンク色の部分が白く なります。

そして、押している指を離すと再びピンク色に戻りますよね。 このピンク色に戻る

時間(秒)が、2秒以内なら大丈夫です。

 

 高齢者では3秒以上でアウトとするのが一般的なようですが、敢えて どの年代でも

2秒とすれば予備能力が低下している高齢者でも早めに脱水の サインに気づくことが

できると思います。

 

 ピンク色に戻る時間が延びて来たなと思ったら、水分補給なり涼しい場所に

移動するなりして対処すれば、病院のお世話にならずに済みます。

 

 もっとも、ピンク色に戻る時間が早くても、何らかの体調不良を訴えていれば

遠慮なく受診していただければと思います。

 

 熱中症は一人一人の注意で予防できる病気ですので、そのサインに早めに 気づく

ことで、医療者の負担を軽減したいものです。

 

 

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