ようやく稲刈りも終わり、いつものペースで相談ができます。関係ない話ですが4連休の間、私はヒゲを剃りませんでした。そして昨日試しに鼻ヒゲを残して家族の反応を見ていたのですが、女房・娘・息子とも評判よくなかったのです。予想はついていても別な反応があってもいいのにとおもうのですけれど・・・。
先日の学術講演会で”舌下免疫療法”なる治療法を初めて聞きました。アレルギーを起こす物質に対して身体を慣れさせる”減感作療法”の簡易版のような治療法です。まだ保険適用の段階ではなく一部の医療機関(大学病院など)で試験的に行われている状態ですが興味深いので書いてみます。
減感作療法はアレルゲン(アレルギーを起こす物質)を体内に少しずつ注射で入れていきながらアレルゲンに身体を慣らす方法で、1〜2週に1回のペースで2年くらいかけて行います。継続することが大切なのですが医師にも患者にも根気のいる治療のため行っている施設は少ないように思います。
通院の手間と注射の煩わしさや痛みをなくした方法として舌下免疫療法が一部の機関で行われてきています。その方法とは、アレルゲンを染み込ませたパンを舌の裏側に2分ほど置き吐き出すというもので、通院もほとんど必要なく注射をしないことから痛みや煩わしさもありません。ただし2年くらいの期間が必要なのは減感作療法と同様ですから、ある程度根気が必要なのは変わりません。
今のところ主にスギ花粉で行われているようですが、一定の治療効果が上っています。1〜2年前このブログに”スギの黒焼き”を飲む方法が医心方という古典に書かれていると紹介したことがあったと思います。
この方法から閃いたのですが、スギアレルギー急増の原因として杉製品が身近から消えていっていることがあげれれるのではないかと考えているのです。例えばスギのおひつや蒸篭などを使っていれば自然と口の中にスギのエキスが少量ずつ入ってきますから、一種の減感作治療が成立していたと考えられるのです。
高度成長時代に入りプラスチック製品が溢れるようになってからスギ製品は身の回りから消えて行き、代わりにスギアレルギーが増えてきていると思っています。スギ製品の普及(復活?)がスギアレルギー対策にもなるのではないかと考えているのですが、実証するには大変なので未だできていません。
舌下免疫療法は普及にまだ時間がかかりそうですが、一般的に使用されるようになれば私の仮説も誰かが証明してくれるように思います。免疫系というのは多くの物質が関係して絶妙なバランスの上に成り立っています。アトピー性皮膚炎や喘息がストレスで悪化することは紛れもない事実で、免疫系のバランスを人類が完璧にコントロールすることは不可能であろうと考えます。
したがって、できるだけ自然に近い形に身体を持って行くのが最良の治療方法だと思い、漢方薬を治療の基本に据えて、食事も含めて日常生活を正して身体を立て直すのがいいのだろうと考えています。
例えばスギの箸を《マイ箸》として使ったら、少しずつスギエキスが体内に入りスギ花粉症が克服されるかもしれません。スギ花粉症で悩むあなた、試してみたらどうでしょう?
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