癌サバイバーと漢方

メールマガジン読者の方からリクエストがあったので、ガン療養の指針なるものを述べてみたいと思います。もちろん私の現在の見方であって、異なった価値観があっても構いませんし、将来はまた違ったものを描いているかもしれません。
そして、ここでいう『癌サバイバー』とは、ガンを抱えながらも精一杯生きている方、一度ガンの診断を受けて一応治療が終わった人、などを指します。けっして戦いに勝って生き残った人だけの意味ではありません。

さて、私の母親がガンに倒れて約20年が経ちました。恐らく、漢方薬などの代替医療をガンに如何に使用すると効果的か?との思いはこの頃からでしょう。当時、ガンと言えば霊芝(サルノコシカケの仲間)くらいしかありませんでした。その後、アガリクスブームがあり、漢方薬よりもはるかに高価なアガリクスがよく売れました。でも、アガリクスだけを飲んだ人は金額面で漢方薬だけしか飲めなかった人と比べて意外に進行が早かったように感じました。その後も、サメ軟骨やプロポリス、フコイダン、メシマコブ、・・・など多数の高価な抗ガン食品?なるものが市場には出回りましたが、私は懐疑的な目で見ていました。

代替療法のメインは漢方薬が一番のようです。私のところでの比較ですが、漢方薬の2〜4倍の価格の抗ガン食品?も、漢方薬があって初めて効果が出やすいように感じます。たぶん、吸収や効率性などを漢方薬が高めるからなのでしょう。いくら良いものでも体が受け入れる準備ができていなければ無駄になることが多いのです。アガリクスブームの頃、母に使えたらと考えましたが、今はそれほど強く思いません。あれば使うかもしれませんが、使わない可能性もあります。アガリクスとガンとの相性もありますから、抗ガン食品?を使う場合は、どのガンに、どんな作用を期待して使うかをきちんと明らかにする必要があります。

良いと思っても、本当に良いのかは(良さそうなのかは)、きちんと説明を受けて納得するべきです。良かれと思っても身体には負担になることもあるからですね。セルフメディケーションと言っても全てをセルフでやることには疑問を感じます。専門家に説明を受ける方が、よりよい代替医療が実践できるでしょう。以前に書いたようにガンは単一の塊ではありませんから、いくつかの戦略を組み合わせて使用する方が効果的と考えられます。新しい情報を入れながら代替医療に如何に応用してゆくかが大切な視点だと思います。私ら医療人にとっては、「○○癌の方」かもしれませんが、身内の方や親しい人にとっては「かけがえのない大切な人生」です。やはりいい加減な相談や販売はできませんね。

その上で、現在何人かの癌サバイバーの方がいます。残念ながら先日他界された方もいらっしゃいますが、やはり漢方薬を体調の変化に合わせて使用することが治療を効果的に進めることに役立っていると感じます。抗がん剤の副作用を乗り越えて順調に生活できることは、よりよい人生を送るうえで不可欠な要素でしょう。20年前の母の時よりも漢方薬の使い方は数段上手くなっています。ようやく、その実感を得られるようになってきました。と言っても、まだまだですから今週は漢方の勉強会三考塾に、今月末は東洋医学会に参加して、新しい情報や有益な知識を吸収して来たいと思います。

癌の診断を受けたら、やはり現代医学的な治療は欠かせませんね。そして正確な知識をもとに、いかに治療をすすめるか?を考えましょう。ですからセカンドオピニオンも大切だと考えます。その上で代替医療を取り入れるなら、多くの情報の洪水の中で、信頼性の高いものを選ばなくてはいけません。できれば信頼できる専門家のアドバイスを受けたいものですし、ここでもセカンドオピニオンを求めても構いません。大切な命ですから、慎重に、しかも迅速に。

免疫力と簡単に言いますが、免疫系は非常に複雑で私もまだ入り口あたりにしかいません。代替医療を行う上でも、やたら免疫!免疫!という方はあまり信用したくありません。推測であっても、免疫のどの部分に作用するのかを説明できることが大切だと感じます。自戒を込めて言いますが、代替医療も科学的な説明を試みる時代に入ってきています。あやふやな説明では、癌ビジネスと揶揄されても仕方ありませんよね。

今現在、私が考える癌サバイバーのメニューは、現代医療(4〜5)、漢方薬(3〜4)、メンタルケア(2〜3)、抗ガン食品(0〜1)でしょうか。()内の数字は、がん治療に寄与する割合を感覚的に表したものです。現代医療は欠かせませんが、充分ではありません。補完する漢方薬の寄与割合はある程度大きいと考えます。一方、プロポリスやサメ軟骨・フコイダン・・・などの抗ガン食品は、意外と評価していません。そしてメンタルケアは高く評価しています。たぶん奇跡が起こせるとしたら、このメンタルケアは非常に重要になって来るでしょうし、さらに家族や親しい人のメンタルケアも考えることが効果的なメンタルケアの一要素でしょうね。今まで、私のところで相談された方(比較的に末期の相談が多い)からの印象ですから、当てはまらないケースもたくさんあるでしょう。抗ガン食品だけでガンが消えた方もいるでしょう。でもいろいろな選択肢があり、どの程度の期待ができるかを私なりに数字で表しました。一つの参考として、より良い生活を送ってください。


漢方薬心療内科相談・心理カウンセリング・皮膚科の病気・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/

過去のブログの主なものはホームページにリンクを貼ってありますから、見たい記事がありましたら《ひろはし薬局のホームページ→過去のブログ》から探してみてください。(現在の更新はしてませんが・・・)
  あるいは⇒http://www3.ocn.ne.jp/~hirohasi/sub6.htm

メールは《Re:タイトル》でお願いします。メールマガジンの申込も随時受付中
     ⇒hirohash@seagreen.ocn.ne.jp

講演の依頼に関しては、ホームページに掲載してある講演内容を参考にして、お申込下さい